Salsa する?

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ヘタ・ うま!アメリカ物語 ジャズシンガー綾戸智恵

2014-10-21 13:37:58 | ドキュメンタリー・その他


日曜の夕方、突然ラジオから飛び出しそうな勢いのダミ声?
ジャズシンガー綾戸智恵さんの凄まじいほどのエネルギッシュな声だった。。

それまでの爆笑問題の内輪受けのネタで、
ちんまりした世界をまったり聴きながらウトウト。。
自虐まじりの綾戸さんの第一声で目が覚めた。

「私、、川の底歩いてました~」
意味不明な言葉から始まったゲストコーナーは、
綾戸さんの放つ言葉に爆笑問題の二人が飲み込まれていった。
彼女独特の感性とワクワクするような話しで、あっという間の三十分。
爆笑の太田さんはもう既にノリノリで壊れ始めた。
コーナーの終わりに綾戸さんの
「だから、もっと時間取らなぁ~あかん!言うたのにぃ~」
視聴者と爆笑問題二人の予想を超えた話だった。

ワタシが二、三年前にTVで見た綾戸さんは、もう壊れそうな佇まい。
どんなに明るくお喋りしても、暗い闇が拭えない感じが漂っていた。
それがラジオの冒頭の「私、、川の底歩いてました~」に
ワタシはズキズキしながら聴き始めた。


◆1970年大阪万博 シンガーへの目覚め。。◆

大阪万博が開かれた1970年は、日本中の子供と大人が大阪に向かった。
世界中のパビリオンと色んなお国の外国人が集う万博は、
一度は行かなくちゃ!となる程の大がかりなイベント。

地方から来る者は宿を取り、アメリカやソビエトだけは観たいと何時間待ち。。
そんな怒涛の六か月、万博会場に毎日来る女の子がいた。
綾戸智恵さんだった。

女の子は来る日も来る日も、会場にいる外国人に話しかけた。
『May I help you?』
こんな風に小さな女の子に話しかけられて拒む者はいない。
彼女は沢山の外国人と英語で話せるのが楽しくてしょうがなかった。
さらに全てのパビリオンを制覇したツワモノでもあった。

万博会場に流れる三波春夫の「世界の国からこんにちは」
女の子は綾戸智恵になった今でも、
三波春夫のこの歌が心に住みついて出ていかないと言う。
この歌が世界中に日本語のこんにちは~♪を広めた凄い歌で、
これを超える歌はない・・


そして、ただのアメリカ好きから、
徐々に彼女はアメリカに思いを馳せた。
映画・歌…
彫りの深い顔で「ハニ~」と囁くアメリカ人が好きだった。
一番の願いはライザ・ミネリーやフランク・シナトラに会うこと…


17歳、、強引なアメリカ行きを決行。
所持金10万円。。
1ドル380円の時代は10万円がギリギリ持っていけるお金。
ホテルは二泊だけ、あとは長距離バスのバス停で寝る日々。

なんのツテも知り合いもいないアメリカで、
彼女が最初に稼いだ場所は公園。。
散歩や日向ぼっこにくるおじいちゃん・おばぁちゃんに、
日本式マッサージをすることで一日15ドル。
その日暮らしの日々は続くが、夢は続いた。


◆ヘタ・うま!の世界を知る。。フランク・シナトラ◆

ホテルでのフランク・シナトラのディナーショー。
IDカードを持たない彼女はホテルの厨房の窓から、シナトラの歌を沢山聴いた。
憧れのシナトラは思いの外、小さかった。。が、歌のある事に気づく。

シナトラは「ヘタ・うま!」だった。
毎回リズム感・音程は安定していない。
が、ひとたびシナトラが歌い出すと、歌になんとも言えぬ味があった。

どんなに上手く歌う人でも超えられないのが、ヘタ・うま!の人の歌だと云う。
彼女の根底には「味わいはレシピにはない!」
そのこだわりは、今もレコーディングの時にある。

彼女のレコーディングはテスト取りはしない。
どこぞのパーティーのようにオープンに歌う。
レコーディングはテイク2まで。
テイク3になると、自分の知識が直そうとするから。

「あんさん、I Love You~は何回も言えまへんで!」

仰る通り!「ヘタ・うま!」の意味は深く、オトナの言葉ですわ。。


**ひとり言IWASETE…**

ラジオから溢れんばかりのパワーは圧巻だった。

綾戸さんの勇ましい軌跡から、ご自身の乳がん、お母様の認知症、、

ワタシが感じたあの時は川底だったのだろう。

止むにやまれぬ事情、介護のための無期限の活動休止…

そして復活。。


歌で人を感動させ、心に残す。。

ラジオの最後に爆笑とのコラボで「あいうえお五十音ジャズ」の歌。

ただ五十音を味わい深く歌うだけなのに、青空が見えるような感覚。

不思議な感覚はレシピにはないのだ。




いつか。。ワタシもこうありたいと深く思う。。




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