ネズとシーソーコンビの対峙から。
ネズはあっさりと取引に応じ、カメラを渡してしまうがデータを抜き取っておくという策士ぶりを披露。
ただ、取引と言っておきながらポケモンを返してないという矛盾は誰も指摘しなかった。
当座の危機を脱することが最優先だったから、仕方ないと言えばその通りなのだが。
マナブがネズの曲を知っているという意外な一面を披露。
そこで、ネズが問題行動を起こしたことで活動休止中であることがわかる。
悪の組織の幹部がジムリーダーだったり…の下りはポケスペ読者ならニヤリとする場面。
マナブがどこの出身なのかはまだ明らかではないが、カントー・ジョウト・カロス以外ならそれらの実例は知らないだろうなあ。
ネズの過去の行動。
やや盛られてる部分もあるのだろうが、ソニアに誹謗中傷をした人物に対して直接的な制裁をしたのだろうと推測される。
正直、ヤクザのやり口としか言いようがないが、まあ法という存在が希薄なポケスペ世界なら許される範囲だろう。
ただ、ローズの働きかけで誹謗中傷を禁ずる法的整備をしたというが、それを担保する力、具体的には警察や裁判所はちゃんとあるのだろうか?
ガラルはゲームでも治安の良さが際立つが、ポケスペ世界でも同様のことが言えるのかどうか。
これは本筋ではないから描かれなくても大した問題ではない。
これまたあまり本筋に関係のない話だが、4章の事件が起きたときカブはどのぐらいの年齢だったのだろうか?
ゲームではモチーフからして50代で、ポケスペでの年齢も同じぐらいだとすると、4章当時は40代手前だろうか?
一度地方が壊滅しかけた危機を目にしているわけだから、ガラルの人々の伝説に対する意識の希薄さに驚くのは無理もない。
そしてソニアの研究を手助けしてきたのはローズぐらいしかいないという。
伝説を調べる協力者だったはずが、全ての黒幕に繋がる者であったと知ったときのソニアの衝撃は如何程だっただろうか…。
前回での動揺はそこに起因するものだったとよくわかる。
データは解析しても特定には繋がらず、結局シーソーコンビの使いが押し掛けてくる結果に。
ところが、ネズは罠を用意してシーソーコンビ本人がいることを見抜き、結果対面が可能となった。
今回はネズの荒事への対処法が際立つ部分が多い。
ここまでうまく対処できてるのは、彼自身が荒んだ時代を歩んできたことに起因するのだろうか?
キバナ共々、バトルだけではない狡猾な一面がよく描かれていると思う。
前回、シーソーコンビのおとぼけっぷりに少々ガッカリ感を覚えてしまったのだが、今回からの本格登場ではギャグキャラっぽさを排除し、無表情を貫き「話が通じない」という危険な雰囲気を出していた。
個人的にこれは重要なことだと思う。
物語の黒幕というべき存在が、ギャグチックなデザインであるとはいえ矮小化されたキャラでは困る。
ローズやオリーヴも絡むであろうことは予想されるが、発端は剣と盾である以上こちらが図鑑所有者達にとって大きな存在にならなくてはならない。
そして手持ちを出そうとしたしーちゃんが突如としてブラックアウト。
この理由は以前解説されたかに思われたが、やはり普通の人間ならあり得ない挙動ではある。
ザシアン・ザマゼンタが二人に興味を持ち、特にしーちゃんの5体に対して強く惹かれたことが事件の根本にあることはわかった。
剣と盾を持ち去ったのはゲーム同様の理由だろう。
しかし、それだけでは全ての説明がつかないのも事実。
ギガとメガだけは手元から離さない理由も説明されてない。
分断したいなら他の3体も手元に持っておけば問題ないはずで、わざわざ放置する必要はない。
さらになぜあのとき昏倒したのか、なぜ記憶をなくしたのか…
重大なフリをしつつ次回へと続くことになった。
今回は事件の根幹を明らかにしていく展開で、剣盾編のストーリーも終わりが見えてきたように思える。
ただ、予定されている世代交代はあと1年である。そこで一気に半年程度で謎を明かしてしまうともう引っ張りはきかない。
もしかしたら再来年になるかもしれない。そうなったらもはや苦しい。
そもそも、この二人は事件のためにジムチャレンジを戦うのであって、解決してしまったら話を進められなくなるように思える。
そーちゃん自身は「もう一度伝説の2体と戦いたい」という願望のもと戦っているわけだが、そこまで共感を得られる動機でもないし…。
次回でどの程度真相を明かすのか、さらにそれを知ったことで周りがどう反応し、展開を進められるのか。
ここまで置かれてきた布石(あくまで布石であり、主人公二人の成長とかその辺の縦軸の弱さは別の話)はそれなりに上手く機能してるように思えるから、問題はそれをどう生かすかにかかっている。
次回は剣盾編全体の読後感に関わる話になってきそうだ。
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