曹達記

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2020年11・12月ポケスペ剣盾編感想

2021-01-02 17:16:00 | ポケスペ
引っ越しがあって感想の執筆が遅れてしまった。
この間に剣盾編は2巻目が出ており、11月の雑誌掲載分は単行本に収録されているのだが、とりあえず雑誌掲載された内容を基準に感想を書いていきたい。


2020年11月分
まずはそーちゃんとソニアの調査から。
特にゲームから内容が変わったところはなさそうだが、キバナとそーちゃんによる問答が加わっている。
ここで、ようやくそーちゃんがなぜジムチャレンジに挑んでいるのかがわかる。
武器の手入れをするものとして、その究極的な使い手と手合わせをしたいというところか?
ただ、単行本1巻では「鍛えた身具がどの程度バトルで使えるのかを確かめる」という目的だったはず。微妙にベクトルがずれているように思えるが…。

この問答ではもう一つ、そーちゃんがローズの思惑に早くから感づいたことが示されている。
一部ではRTA並みの超速理解と揶揄されたが、そう言われてもおかしくはない思考の速さである。
しかし、元々彼の思考速度はあり得ないぐらい速い。毎度合理的な回答を素早く導いているだけでなく、キョダイマックスのようなイレギュラー事象への対応も早すぎる。
その代わり興味のないことには徹底して無知で、人付き合いも下手という部分でバランスが取れているのだろう。

「ポケモンがこの世を滅ぼす力を持っている」というキバナの認識。
ポケスペ世界ではその認識は間違ってないし、それこそ2章からずっとそんな事件ばかり起きているのである。
それに対して、そーちゃんがローズに直接意図を問うと言い出した理由がわからない。
彼はジョークを言うタイプではないし、恐らく本気でそう思っているのだろう。
以前、「ガラルの権力の頂点に近い人の考えはわからない」と述べていたぐらいなので、本人に聞かないと結論は出せないと思ったのだろうか?

ポプラと出会うのはゲームでは6番道路での話。
しかし、ポケスペでは道路は車で移動してしまうためここに持ってきたのだろう。
ただ、その副作用として化石関係の話が全部カットされてしまったが…手持ちの関係上どうしても二人と絡めるには無理があったし仕方ない面もある。
ゲームだと濃すぎるキャラで大分引っ掻き回した印象のあるポプラだが、ポケスペではそれを上回る面々にペースを乱されている感じ。
マグノリア博士が荒い運転をしたのはタクシー代わりにされたことへの苛立ちもあるのだろう。ゲーム通りなら旧知の仲でもあるはずだ。

ラテラルのジムリーダーはまさかのオニオン。BWの例からしてサイトウかと思ったが…。
ただ、アニメではサイトウが出ているので、ゲーフリ側からメディアミックスでのバランスを取ってこちらではオニオンから出すようにと言われたのかもしれない。
あくまで推測でしかないが。
ただし次回の話からすると、キョダイゲンガーを使いたかったのが最大の理由なのかもしれない。

やはり事前の調査不足でミスをしてしまうそーちゃん。
ルリナ戦ではCMから対策を練っていたが、今回はそこまでの時間がなかったと思われる。
自ら述べている通り、身具がないポケモンに対しては興味がかなり落ちるようだ。
ただ、よく考えたらゲンガーはヤレユータンに対してかなりの不利である。(ヤレユータンはノーマル・エスパーなのでゴースト技は無効)
これで追い込まれたかのような雰囲気を出しているのはなぜなのだろうか…。


2020年12月分
いきなりダイアシッドを食らわせるゲンガー。
よけきれなかったグンバインはダメージを受け、更にゲンガーの口から聞こえる死者の声にそーちゃんが囚われてしまう。

この状況で突如現れるビート。単行本によるとカブ戦の途中だったようだが、早めに終えたのだろうか?
プライドの高さは相変わらずだが、そーちゃんへの評価はそれなりに高かったようだ。
勝手に戦況を分析して去っていくという、典型的な2号ライダー的行動(?)で笑ってしまったのだが、読者に置かれた状況を説明する役としてはおかしくはない。

そーちゃんに聞こえた声。後で説明されるのだが、師匠を兼ねていた父親のものであった。
この台詞、「弱さに寄り添い、ともに歩むことが鍛えること」と示しているのだが、そーちゃんとしーちゃんの関係にも当てはまると思えた。
しーちゃんはまだまだバトルが弱く、アシストなしで勝てたのはカブ戦が最初というぐらいである。
それをお荷物と拒絶せずに共に歩もうとしているからそーちゃんも鍛えられている…というのは穿った見方か?

なお、親が他界している点など、割とビートへの対比要素が強くそーちゃんにはあるように思える。
一方、しーちゃんはアクティブな点や博士に近い点など、ホップに近い要素が多く見受けられる。
となると、マリィと対峙する役回りがいないのだが…まさかマナブ?

ゲームはソード版をやっているので、オニオンの細かいキャラ回りについては理解度が足りていないのだが、コミュニケーションに難があるタイプなのだろうか。
また、ゲームでマグノリア博士がヤバチャとポットデスを持っていた覚えはないのだが、オニオンと絡めるために設定したのだろうか?
どうもこの手持ち設定には作為的なものを感じるのだが、「壁画事件にオニオンを絡める」ために用意されたと考えるのが自然に思える。
というのも、ゲームでは壁画事件に絡むのはソニアで、ラテラルのジムリーダーではない。
しかし、ポケスペではソニアは同行していないので、どうしても壁画の件に絡めるキャラが足りなくなる。
そこでオニオンを絡めることにしたが、ガラルのジムリーダーは常にジムチャレンジの相手をしていて多忙であるため、ふらっと外に出るというシチュエーションを作りづらい。
ここで、オニオンが外に出るシチュエーションとして「マグノリア博士のヤバチャとポットデスに興味を持つ」という下りを作ったのではないか?

壁画の下りはほぼゲームと同じである。
しかし、ゲームでは主人公がビートを撃破しているのだが、ポケスペではジムリーダーたるオニオンがいるのでビートは戦闘を行っていない。
しーちゃんがビートとバトルして止める展開でもよかったように思えるが、それでは尺が足りないか?



さて、2回続けて感想を書いてみたが、やはりしーちゃんのジム戦は描かないという方向は一貫しているように思える。
そこがどう影響してくるのか、またマナブは今後どういう役回りになっていくのか…。
そろそろ連載も折り返し地点である。どの方向に転んでいくのか注視していきたい。


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