ひぐらしが鳴く時

台風９号が去り、また真夏の暑さが戻ってきました。
最近は、早朝からセミの鳴き声で目が覚めたりします。
セミは、小さな身体のどこからあんなに大きな声が出るんだろうと思うくらい大きな鳴き声です。

私の家の近くのセミはミンミンゼミです。
ミーン、ミン、ミン、ミン、ミン・・・
身体中の力を振り絞って鳴いているようです。
短い地上での生活を思い目いっぱい自己主張しているのでしょうか。

私はこの夏、車のエアコンを一度も使っていません。
ガソリン節約のためです。
娘は熱中症を心配していますが、私が車に乗るのは、朝夕の通勤時なので、暑さも昼間ほどではなく、窓を開けて走れば、何とか暑さはしのげます。

私の通勤コースには、地元で『谷戸の山』と呼ばれている、うっそうとした森があります。
朝、そこを通ると、アブラゼミのジージージーという声をバックにミンミンゼミが一段と高く声を張り上げて鳴いています。
ところが、仕事を終えて同じ場所を通ると、そこは、ひぐらしのカナカナカナカナ・・・という声で埋め尽くされます。
１６年間、同じ場所を通っていたのに、今年初めて時間によって鳴くセミが違うことに気づきました。

それにしても、あのヒグラシの声は、何と物悲しい。
ひぐらしのせみ時雨。
山の中を走り抜ける間、私の身体に降ってくるように悲しげな声が続きます。
カナカナカナカナ・・・・

ひっそりとした夕方の山の中をあのせみ時雨に包まれながら走っていると、悲しいことばかり思い出されます。
震災、福島原発、ハイジの死・・・そして、松田直樹。

ちょっと疲れているのかなぁ。