１月１２日は成人式でしたね。
我が家では成人式はすっかり無縁のものとなりましたが、この日、車窓から成人式の会場に向かう男女の集団をいくつか見かけました。
男性は男性ばかり女性は女性ばかり５～６人で集団を作ってそれぞれ会場に向かっていました。
どうしても華やかな着物姿の女性の集団に目が行きます。
今年は白っぽい着物の女性を多く見かけたような気がします。
それが原因でしょうか、着物の女性を見かけた途端悲しい気持ちになりました。
そのとき、とっさに私が思い出したのは、娘の成人式のことではなく、息子の以前の彼女の成人式のことでした。
息子と元カノとは、彼女が高校生のときからの付き合いでした。
どこでどうして知り合ったのか、彼女が初めて我が家にやってきたときは、ブレザーにチェックのミニスカートという制服姿の女子高生でした。
玄関に入ってきた彼女は、人懐っこい笑顔で、「こんにちは」と私に言い、その後もニコニコと笑顔を絶やさず、我が家の３匹をとても可愛がってくれました。
ハイジなどは、人見知りのくせに彼女だけは特別だったらしく、彼女が来ると大喜びで玄関まで飛んで行くので、私たちはいつも呆れて見ていました。
息子の彼女が翌年成人式を迎えるという時、息子が私に成人式の着物や美容院のことなどをいろいろ聞いてきました。
どうしてそんなことに息子が関与するのかと思い、よくよく聞いてみると、彼女と両親とはことごとく意見が食い違う関係で、成人式に関しても親はあまり乗り気でなく、いつものように彼女と両親が対立してしまい、成人式に関する一切合財は全部彼女が自分ですると言っているので、わからないことだらけだから色々教えて欲しいと言います。
それは、ちょうど私の娘が成人式を済ませたばかりの頃でした。
彼女より娘の方が年上だったので、成人式に関して私たちは経験者でした。
今はどうかわかりませんが、当時はその年の成人式が終わったらすぐに一年後の美容院や写真館の予約をする。
着物もその時点から翌年の販売が始まるので、安くて気に入ったものを選ぶなら早いほうが良いという時代だったので、息子にそんな話をしました。
彼女は息子のアドバイスを聞きながら、美容院や写真館の予約や着物の購入をしたようです。
着物の購入のときも、息子も一緒に行って、二人で選んだと言っていました。
当時の息子はフリーターだったので金銭的な援助は一切できなかったようですが、それでも息子なりに彼女の成人式にはずいぶん時間を費やしたように思います。
着物が出来上がってからも、彼女は着物を自分の家には置きたくないというので、成人式寸前まで彼女の着物は我が家で預かっていました。
成人式当日は、今のカップルがみんなそうしているように息子が式場まで送り迎えのアッシー君をしました。
そして、式が終わってから、着物姿の彼女が我が家にやってきました。
彼女の着物をずっと我が家で預かってはいたものの中身を見るわけではなかったので、どんな着物なのかとても楽しみでした。
息子は自分の成人式でもないのに珍しくスーツを着こんでアッシー君をしていたようです。
私と娘は彼女が来ると聞いていたので、私は花束、娘はケーキを買って彼女を待ちました。
その時の彼女の着物は白地に花模様の振袖でした。
細面の彼女にその着物はとてもよく似合いました。
白が多い着物だったのでまるで花嫁衣裳のようにも見えました。
彼女が我が家の玄関に入ってきて、ワーワーと騒いでいるのを聞きつけて、主人も部屋から出てきてみんなで綺麗、綺麗、とっても似合うなどと言い合いました。
私と娘がおめでとう！と言って花束とケーキを渡すと彼女は思いがけないことだったらしく突然泣き出しました。
息子はとても困ったような顔をして
「せっかくの晴れ着が台無しだから泣いたりするなよ」
などと、いつもの息子らしくない言い方をしていました。
息子も照れくさそうでした。
外へ出て、半分泣き顔の彼女と息子のツーショット写真を何枚か撮りました。
そんな思い出があります。
彼女と別れてしまった今ですが、お付き合いが長かっただけ私の中にも彼女の思い出がたくさんあります。
昨年の秋、たまたま用事で彼女の職場付近を通ったとき、驚いたことに偶然に彼女を見かけました。
娘と一緒に見たのですが、私も娘も唖然としました。
それくらい彼女は別人のように痩せていました。
でも、彼女に間違いありません。
見かけたからと言って以前のように、自然に挨拶することはできませんでした。
私も娘もそうっとその場を去りました。
後姿の彼女は気のせいか元気がないように感じました。
「ずいぶん痩せちゃったね。何だかとっても寂しそうに感じる。」
と私が言うと、
「あんなにきれいな人なんだから、すぐに別の人が見つかるよ。」
と娘がポツリと言いました。
私もそう思いましたが、悲しくなりました。
息子と彼女の間に何があったのか、どうして二人は別れてしまったのか、それはわかりませんが、成人式の日に着物姿の二十歳の女性たちを見た途端、何故かあの時の寂しそうな彼女の後姿と成人式の時の泣き顔の着物姿がタブって、うるうるしてしまった私でした。
我が家では成人式はすっかり無縁のものとなりましたが、この日、車窓から成人式の会場に向かう男女の集団をいくつか見かけました。
男性は男性ばかり女性は女性ばかり５～６人で集団を作ってそれぞれ会場に向かっていました。
どうしても華やかな着物姿の女性の集団に目が行きます。
今年は白っぽい着物の女性を多く見かけたような気がします。
それが原因でしょうか、着物の女性を見かけた途端悲しい気持ちになりました。
そのとき、とっさに私が思い出したのは、娘の成人式のことではなく、息子の以前の彼女の成人式のことでした。
息子と元カノとは、彼女が高校生のときからの付き合いでした。
どこでどうして知り合ったのか、彼女が初めて我が家にやってきたときは、ブレザーにチェックのミニスカートという制服姿の女子高生でした。
玄関に入ってきた彼女は、人懐っこい笑顔で、「こんにちは」と私に言い、その後もニコニコと笑顔を絶やさず、我が家の３匹をとても可愛がってくれました。
ハイジなどは、人見知りのくせに彼女だけは特別だったらしく、彼女が来ると大喜びで玄関まで飛んで行くので、私たちはいつも呆れて見ていました。
息子の彼女が翌年成人式を迎えるという時、息子が私に成人式の着物や美容院のことなどをいろいろ聞いてきました。
どうしてそんなことに息子が関与するのかと思い、よくよく聞いてみると、彼女と両親とはことごとく意見が食い違う関係で、成人式に関しても親はあまり乗り気でなく、いつものように彼女と両親が対立してしまい、成人式に関する一切合財は全部彼女が自分ですると言っているので、わからないことだらけだから色々教えて欲しいと言います。
それは、ちょうど私の娘が成人式を済ませたばかりの頃でした。
彼女より娘の方が年上だったので、成人式に関して私たちは経験者でした。
今はどうかわかりませんが、当時はその年の成人式が終わったらすぐに一年後の美容院や写真館の予約をする。
着物もその時点から翌年の販売が始まるので、安くて気に入ったものを選ぶなら早いほうが良いという時代だったので、息子にそんな話をしました。
彼女は息子のアドバイスを聞きながら、美容院や写真館の予約や着物の購入をしたようです。
着物の購入のときも、息子も一緒に行って、二人で選んだと言っていました。
当時の息子はフリーターだったので金銭的な援助は一切できなかったようですが、それでも息子なりに彼女の成人式にはずいぶん時間を費やしたように思います。
着物が出来上がってからも、彼女は着物を自分の家には置きたくないというので、成人式寸前まで彼女の着物は我が家で預かっていました。
成人式当日は、今のカップルがみんなそうしているように息子が式場まで送り迎えのアッシー君をしました。
そして、式が終わってから、着物姿の彼女が我が家にやってきました。
彼女の着物をずっと我が家で預かってはいたものの中身を見るわけではなかったので、どんな着物なのかとても楽しみでした。
息子は自分の成人式でもないのに珍しくスーツを着こんでアッシー君をしていたようです。
私と娘は彼女が来ると聞いていたので、私は花束、娘はケーキを買って彼女を待ちました。
その時の彼女の着物は白地に花模様の振袖でした。
細面の彼女にその着物はとてもよく似合いました。
白が多い着物だったのでまるで花嫁衣裳のようにも見えました。
彼女が我が家の玄関に入ってきて、ワーワーと騒いでいるのを聞きつけて、主人も部屋から出てきてみんなで綺麗、綺麗、とっても似合うなどと言い合いました。
私と娘がおめでとう！と言って花束とケーキを渡すと彼女は思いがけないことだったらしく突然泣き出しました。
息子はとても困ったような顔をして
「せっかくの晴れ着が台無しだから泣いたりするなよ」
などと、いつもの息子らしくない言い方をしていました。
息子も照れくさそうでした。
外へ出て、半分泣き顔の彼女と息子のツーショット写真を何枚か撮りました。
そんな思い出があります。
彼女と別れてしまった今ですが、お付き合いが長かっただけ私の中にも彼女の思い出がたくさんあります。
昨年の秋、たまたま用事で彼女の職場付近を通ったとき、驚いたことに偶然に彼女を見かけました。
娘と一緒に見たのですが、私も娘も唖然としました。
それくらい彼女は別人のように痩せていました。
でも、彼女に間違いありません。
見かけたからと言って以前のように、自然に挨拶することはできませんでした。
私も娘もそうっとその場を去りました。
後姿の彼女は気のせいか元気がないように感じました。
「ずいぶん痩せちゃったね。何だかとっても寂しそうに感じる。」
と私が言うと、
「あんなにきれいな人なんだから、すぐに別の人が見つかるよ。」
と娘がポツリと言いました。
私もそう思いましたが、悲しくなりました。
息子と彼女の間に何があったのか、どうして二人は別れてしまったのか、それはわかりませんが、成人式の日に着物姿の二十歳の女性たちを見た途端、何故かあの時の寂しそうな彼女の後姿と成人式の時の泣き顔の着物姿がタブって、うるうるしてしまった私でした。
