夕べ、知り合いから電話がありました。
私は以前、自動車販売会社に勤めていたのですが、その時同僚だった人です。
当時、私は、小さな町工場でパートの事務員をしていたのですが、同じ事務をしていた人がその自動車販売会社へ車検に出した時に、その会社で、事務員を募集しているらしいという話を聞いてきました。
二人で色々な話をしながら仕事をしていたので、その頃の私が、正社員の仕事を探しているのを知って、すぐに教えてくれました。
私は、それを聞いて、早速、応募しました。
入ってみてわかったのですが、その会社は、自動車会社の資本は入っていなくて、自動車会社の名前を使う契約ができている、フランチャイズというのかな?そんな感じの会社でした。
社長が一代で築いた会社で、最初は小さな修理工場をしていたのですが、徐々に規模を大きくし、大手自動車会社と契約して、営業所も5か所になり、車の販売、修理、中古車販売など事業を拡げたようです。
社長の奥さんが監査役、社長の弟が専務で社長の息子が本社の営業所長をしていました。
いずれは、社長の息子が社長になるということでした。
私が入社した頃はバブルの時代で、車の売り上げもどんどん上がり、かなりの利益もあったのでしょう。
本社は、立派なショールームと事務所に建て替えました。
各地にあった営業所も次々と建て替え、どこも素晴らしい販売店になりました。
ところが、バブルがはじけ、徐々に車の売り上げも落ちて来たようです。
そんな頃、私に転職の話がありました。
ワープロ教室を開いていた知人から、
「ウチでワープロ講師をしてくれない?」
ということで、私としては、好きな分野だったので、喜んでその話を受けることにしました。
自動車販売会社からは、ずいぶん引き留めてもらいましたが、私は、ワープロ教室の道を選びました。
その頃は、ワープロの全盛期でした。
それから数年後、大幅な店舗改修で借金を抱えていた自動車販売会社の経営は悪化し、倒産してしまったという話を聞きました。
残された店舗は、自動車会社の資本が入った系列会社が引き取り、今でも見た目は以前と全く変わりなく営業しています。
系列会社に引き取られた時点で、社長と専務は引退しましたが、本社の所長をしていた息子さんは、別の地域の所長として残してもらえたと、聞きました。
その数年後、社長は亡くなりました。
それからの事は全く知らなかったのですが、一年くらい前に、昨日の電話の同僚と会った時、
「元の社長の家の前を通ったら、家が壊されていて、新しい家が何軒が建っているの。社長の家はどうしちゃったんだろう?」
と言っていました。
私も社長の家には仕事の関係で行ったことがありますが、広い敷地の中に立派な家が建っていました。
そこに社長夫妻と息子さん一家が住んでいました。
社長は亡くなりましたが、息子さん一家が住んでいたはずなので、その家が取り壊されて、完全に売り払われてしまったらしいというので、ちょっと驚きました。
社長の息子さんは私よりは、ずっと若かったと思います。
いかにもお坊ちゃまという感じのおっとりした人でしたが、この辺りでは一番の進学校を卒業しているので、頭は良かったと思います。
しかもイケメンでした。
私はあまり接触がなかったので、どういう性格の人かは知りませんでしたが、きれいな奥さんがいて、男女二人の子供がいて、大きな家に住み、周りからは、うらやましがられるような生活をしていたと思います。
会社が倒産してからは、単に雇われの所長さんになったので、生活の方は多少厳しかったのかもしれません。
専業主婦だったあのきれいな奥さんもパートに出ているようなことを聞いた気もします。
息子さん一家がその家を売り払ったという理由がわかりませんでした。
相続の関係もあったのかなと思ったりしていました。
ところが、夕べ元同僚からの電話で、その理由がわかりました。
驚いたことに、社長の息子さんとあのきれいな奥さんが立て続けに癌になってしまったということでした。
二人とも病気が分かった時は末期の状態で、息子さんも働くことができなくなり、それで土地と家を売って、駅前のマンションに移り住んだということでした。
それだけでも驚いたのに、昨年、息子さんも奥さんも相次いで亡くなってしまったそうです。
「えっ?二人とも?」
と私は思わず大きな声をあげてしまいました。
主人もたまたま来ていた娘も「何か良くない事があったのか」と思ったらしく、心配そうに私の顔を見ていました。
あんなに幸せそうな一家だったのに、若くして夫婦とも亡くなってしまったと聞き、言葉がありませんでした。
イケメンの息子さんと美人の奥さんの顔を思い出し、何とも言えない気持ちになりました。
人それぞれ寿命があるとは言うけれど、人生ってわからないなと思います。
私は以前、自動車販売会社に勤めていたのですが、その時同僚だった人です。
当時、私は、小さな町工場でパートの事務員をしていたのですが、同じ事務をしていた人がその自動車販売会社へ車検に出した時に、その会社で、事務員を募集しているらしいという話を聞いてきました。
二人で色々な話をしながら仕事をしていたので、その頃の私が、正社員の仕事を探しているのを知って、すぐに教えてくれました。
私は、それを聞いて、早速、応募しました。
入ってみてわかったのですが、その会社は、自動車会社の資本は入っていなくて、自動車会社の名前を使う契約ができている、フランチャイズというのかな?そんな感じの会社でした。
社長が一代で築いた会社で、最初は小さな修理工場をしていたのですが、徐々に規模を大きくし、大手自動車会社と契約して、営業所も5か所になり、車の販売、修理、中古車販売など事業を拡げたようです。
社長の奥さんが監査役、社長の弟が専務で社長の息子が本社の営業所長をしていました。
いずれは、社長の息子が社長になるということでした。
私が入社した頃はバブルの時代で、車の売り上げもどんどん上がり、かなりの利益もあったのでしょう。
本社は、立派なショールームと事務所に建て替えました。
各地にあった営業所も次々と建て替え、どこも素晴らしい販売店になりました。
ところが、バブルがはじけ、徐々に車の売り上げも落ちて来たようです。
そんな頃、私に転職の話がありました。
ワープロ教室を開いていた知人から、
「ウチでワープロ講師をしてくれない?」
ということで、私としては、好きな分野だったので、喜んでその話を受けることにしました。
自動車販売会社からは、ずいぶん引き留めてもらいましたが、私は、ワープロ教室の道を選びました。
その頃は、ワープロの全盛期でした。
それから数年後、大幅な店舗改修で借金を抱えていた自動車販売会社の経営は悪化し、倒産してしまったという話を聞きました。
残された店舗は、自動車会社の資本が入った系列会社が引き取り、今でも見た目は以前と全く変わりなく営業しています。
系列会社に引き取られた時点で、社長と専務は引退しましたが、本社の所長をしていた息子さんは、別の地域の所長として残してもらえたと、聞きました。
その数年後、社長は亡くなりました。
それからの事は全く知らなかったのですが、一年くらい前に、昨日の電話の同僚と会った時、
「元の社長の家の前を通ったら、家が壊されていて、新しい家が何軒が建っているの。社長の家はどうしちゃったんだろう?」
と言っていました。
私も社長の家には仕事の関係で行ったことがありますが、広い敷地の中に立派な家が建っていました。
そこに社長夫妻と息子さん一家が住んでいました。
社長は亡くなりましたが、息子さん一家が住んでいたはずなので、その家が取り壊されて、完全に売り払われてしまったらしいというので、ちょっと驚きました。
社長の息子さんは私よりは、ずっと若かったと思います。
いかにもお坊ちゃまという感じのおっとりした人でしたが、この辺りでは一番の進学校を卒業しているので、頭は良かったと思います。
しかもイケメンでした。
私はあまり接触がなかったので、どういう性格の人かは知りませんでしたが、きれいな奥さんがいて、男女二人の子供がいて、大きな家に住み、周りからは、うらやましがられるような生活をしていたと思います。
会社が倒産してからは、単に雇われの所長さんになったので、生活の方は多少厳しかったのかもしれません。
専業主婦だったあのきれいな奥さんもパートに出ているようなことを聞いた気もします。
息子さん一家がその家を売り払ったという理由がわかりませんでした。
相続の関係もあったのかなと思ったりしていました。
ところが、夕べ元同僚からの電話で、その理由がわかりました。
驚いたことに、社長の息子さんとあのきれいな奥さんが立て続けに癌になってしまったということでした。
二人とも病気が分かった時は末期の状態で、息子さんも働くことができなくなり、それで土地と家を売って、駅前のマンションに移り住んだということでした。
それだけでも驚いたのに、昨年、息子さんも奥さんも相次いで亡くなってしまったそうです。
「えっ?二人とも?」
と私は思わず大きな声をあげてしまいました。
主人もたまたま来ていた娘も「何か良くない事があったのか」と思ったらしく、心配そうに私の顔を見ていました。
あんなに幸せそうな一家だったのに、若くして夫婦とも亡くなってしまったと聞き、言葉がありませんでした。
イケメンの息子さんと美人の奥さんの顔を思い出し、何とも言えない気持ちになりました。
人それぞれ寿命があるとは言うけれど、人生ってわからないなと思います。