はーちゃんの気晴らし日記

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金木犀の香り

2009年10月12日 | ガーデニング
一歩外に出ると、金木犀の香りがどこからともなく漂ってきます。
秋だなぁと思う瞬間です。
そのうち、黄金色の小さな花びらがこぼれ、木々の根元は黄色の絨毯のようになります。
そんな金木犀の香りは、私の心を切なくさせます。
というのも2年前のことを思い出してしまうからです。

2年前の今頃、我が家は家を建て直すために25年間住み慣れた家を解体することになりました。
初めてこの地にやって来た時、実家の母からもらった金木犀なのですが、何が悪かったのか、25年の間、ほとんど花が咲きませんでした。
木ばかり大きくなって、目隠しにはちょうど良かったのですが、近所から金木犀の良い香りがしてくると、どうして我が家の金木犀は花をつけないのだろうと思っていました。
なので、建替えの時も花の咲かない金木犀に対して未練はありませんでした。
ところが、解体作業の前日、ふと見ると・・・
金木犀は、全体にびっしりと花をつけているのです。
驚きました。
花をつけたのは、25年間で初めてのことでした。
金木犀は、撤去されてしまうのを察して、最後に花を咲かせたのかと思いました。
「こんなにきれいに咲いているのだから、取らないで!」と言っているようでした。
まるで断末魔の叫びのようで、暗い気持ちになりました。

でも、大きなその木を残すわけにもいかず、枝を切り取って挿し木をすることにしましたが、季節も悪かったのでしょう。
挿し木もうまく行きませんでした。
この季節になると、あの時の金木犀の叫びを思い出すようで辛くなります。

その金木犀をくれた実家の母も今年の5月に亡くなってしまいました。
金木犀は、二重の悲しみを思い出させる木になってしまいました。





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