通勤途中の道

ここは、私が毎朝通勤途中に通る道です。
この橋は、７年前くらいにできました。
私の住む町は、山坂が多く、この橋の下も川ではなく、畑と森になっています。
脇は、住宅地です。

今からちょうど５年前の今頃のことです。
この橋で大きな交通事故がありました。
晴れて希望の大学に合格し、入学式を済ませたばかりの今頃、二人の男子学生が歩いていました。
そこに突然車が猛スピードで、突っ込んできたのです。

二人の学生は大学で知り合い、この橋の近くに住む学生の家に向かう途中でした。
多分、深夜の道を二人で楽しげに歩いていたのだと思います。

二人が歩いていたのはもちろん、歩道でした。
車を運転していた人は泥酔状態でした。
そして、その運転手は、以前にも飲酒運転で免許停止になっていたため、そのときはすでに無免許。
おまけに車は車検切れ。
よほどスピードを出して暴走してきたのだと思います。
こんな段差のある歩道をどうやって乗り上げたのか？と思いました。

一人は、この橋から下に放り出され、もう一人は、道路に飛ばされ、二人とも即死でした。

それから、５年経ちましたが、学生がなくなった場所に花と飲み物が絶えたことはありません。
花が枯れると新しいものに変わっています。



花が置かれた場所から少し離れた壁には、いまだに生々しく事故の後が残っています。

たまに若い女の子が数人で花束を持ちこの欄干から下を見下ろしている姿を見る事もあります。

二人の若い命が無謀な運転手のために失われ、私も同じ年頃の子供を持つ親として、当時も心を痛めました。

今でこそ飲酒運転に対する罰則も以前よりは、厳しくなりましたが、当時はさほどでもなく、その運転手もまもなく社会復帰をするか、すでに復帰しているのかもしれません。

その二人の学生が生きていれば、大学を卒業して、今頃社会人二年生になっている頃。
当時の事故のことは、一般には忘れ去られつつあっても、当事者達には、決して忘れることはできないというのを改めて思うのです。