はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

家族葬

2015年10月04日 | 出来事
今年の2月に『血液と骨の病気』という題でブログを書いた裏のMさんが、10月1日に亡くなりました。

あの記事を書いてから、Mさんは、入退院を繰り返していました。

5月の終わりごろだったと思います。
私が、2匹の散歩をしようと家を出たところ、後ろの方から声がした気がして振り返ると、人が立っていました。
誰だろう?
私に声を掛けたのかしら?
と思いながら、立ち止まって見ていたら、その人は、
「私よ。Mさんよ!」
と、言いました。
いつも私が呼ぶように、Mさんは、自分でさん付けして言っていました。
私は、びっくりして、
「Mさん?本当にMさんなの?」
と言いながら、来た道を戻り、立っているMさんのところへ行きました。

そばで見ると、ずいぶん痩せてしまっていて、髪も真っ白でした。
ぼんやり、やっと立っているという感じでした。
「元気になったの?」
と聞くと、
「全然、元気じゃないのよ」
と言います。
「でも、退院できたんでしょう?多少、良くなってきたってことでしょう?」
と言うと、Mさんは、力なく笑って
「そうね~」
と言っていました。
そして、私に
「散歩も大変ね。早く行っておいで~」
と言い、家に入って行きました。

その後、入梅前のお天気の良い日、私は伸びきった木の枝を切っていたのですが、私の姿を見かけたのか、Mさんが家から出てきました。
そして、私たちは、とりとめもない話をしました。
「調子はどうなの?」
と聞くと、
「まあまあかな。でも、体調は良くないわ。」
と言います。
「どういう感じなの?痛みとかあるの?」
と聞くと、
「うん、痛いのよ。痛み止めで何とか痛みが治まっているだけなの。」
と言います。
「そうなんだ~。それじゃ、辛いね」
と私は言いました。
たぶん、Mさんは、長く立ってはいられなかったんだと思います。
「お天気が良いから、気分転換に外に出てきたんだけど、家に入るね。また、出てくるからね。」
と言って、家に戻っていきました。
私は、”また出てくる”という言葉の意味を考えながら木を切りました。
”また別の日に出てくる”という意味だろうか。
それとも”その日、ちょっと休んでからまた出てくるから待っていて欲しい”という意味だろうかと。

その後、木を切り終え、Mさんの事が気になりながら、家に入りました。
気になったので、家の中からMさんの方を見てみましたが、Mさんの姿はなかったので、たぶん、後日、また出てくるねという意味だったんだろうと思いました。

でも、その後、梅雨に入ってしまい、お天気の悪い日が続き、私もMさんも外に出るということはなくなりました。

後から聞いた話ですが、8月に再入院したということでした。
今年の夏の前半は、暑さが厳しかったので、家にいるのはきつかったのかなと思いました。
でも、Mさんは、そのまま、家に帰ってくることはできなかったようです。
息子さんは、Mさんが家でも車椅子生活ができるようにと、室内をバリアフリーに改造してMさんを迎えたのですが、そのバリアフリーの家で過ごせたのは、たぶん2ヶ月くらいだったろうと思います。

8月の再入院の時は、片方の頬が急激に腫れ、これは異常だと思い病院へ連れて行ったところ、癌が頚椎から頬に転移していて、それで腫れていたというのがわかり、そのまま入院ということになったそうです。
その後、入院中に、癌は足にも転移し、左足が折れ、手術をどうするかという話をしていた時に、突然心不全を起こして亡くなったということでした。

多発性骨髄炎。
全身のいたるところに癌が発生し、骨がすかすかになってしまう恐ろしい病気だそうです。
抗がん剤は、効果がないわけではないのですが、抗がん剤で腫れた部分が治まってくると、次には、今まで何もなかったところに、新しい癌ができてしまったらしい。
去年の9月に、癌が見つかり、余命3年と言われたそうですが、癌の進行が早く、1年で亡くなってしまいました。

Mさんは、次男と一緒に住んでいるのですが、長男は、仕事の関係で家を出ています。
その長男さんが、しばらくぶりに私の家に来ました。
本当に、何年、いや何十年ぶりに長男さんに会ったように思います。
それで、Mさんの死去を知りました。
長男さんの話では、家族葬をするということでした。

Mさんは、ご両親も兄弟もすでになく、一人でした。
私と同じだなと思いました。
ご主人もとっくに亡くなっているため、ご主人の親戚縁者ともあまりお付き合いはないようでした。
近所の人には、特に葬儀の連絡はしないということで、私とお隣のSさんに式に参列して欲しいという話でした。
昨日お通夜で、今日これから告別式です。

夕べのお通夜は、ひっそりとしたものでした。

親戚は、Mさんの遠縁の人が3人。
そして、Mさんが普段から仲良くしていたご夫婦。
それと、私とSさん夫婦。
Mさんが去年まで働いていた職場の人が2人。
そんな葬儀でした。

今日の告別式は、昨日、仕事でお通夜に出られなかった主人も参列することになっています。
息子さんから、
「できれば、骨を拾って欲しい」
と言われているので、最後までMさんを見届けてくるつもりです。

自分の気持ちを書こうとすると、胸と胃が痛くなりそうなので、事実経過を書くことにしました。


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