昨日は、私の行きつけのスーパーの特売日でした。
いつも火曜日は火曜特売、略して『火特』の日です。
でも、昨日の火特はいつもの火特と違って、棚卸し前の特売でした。
なので、半端じゃなく安い。
食パン一斤60円、バナナが6本ついて一房100円、アスパラガスは2束で150円、500gのプレーンヨーグルトが90円、などなど。
私が仕事を終えてスーパーに着くのがだいたい6時ちょっと前。
少し店内を歩いていると、店員さんが、あちこちで値札を張り替えています。
6時を境に生鮮食料品などは、火特で安くなっている上に更に安くなるというわけです。
一通り買い物を終えて、レジに行くと、どのレジも行列。
最後尾に並んでいると、息子の同級生のお母さんと目が合いました。
あれ?と思って、目を合わせたまま会釈をすると、大きなマスクに目だけ出した状態でいる私のことがわからなかったらしく、しばらく不思議そうに私を見ていましたが、やっと気づいたらしく、「あぁ」とちょっと笑って、挨拶を返し「ずいぶん混んでいるね。」と言いました。
彼女は、娘さんとお孫さんと買い物に来ていたようです。
彼女もお孫さんに囲まれて幸せにやっているんだなと思いました。
その彼女には、あまり気持ちの良くない想い出があります。
私がこの地に越してきたのは息子が5歳の時。
我が家的にいろいろ事情があって、この地にきたのですが、こちらに来てから息子と娘を保育園に預けて私は働き始めました。
市立保育園なので、規模も小さく園児の数もあまり多くありません。
息子と同級生と言っても10人前後くらいの園児しかいませんでした。
子供の送り迎えで同級生の親とも顔を合わせるようになり、何人かの人と顔なじみになりました。
そんな時、突然、一人の同級生のお母さんが、私の家をたずねて来ました。
「主人のお給料を全部落としてしまったの。
とても生活することはできそうにないから、1万円貸して欲しい。」
と言うのです。
いくら25年前のことと言っても、お給料を全部落としてしまって、たったの1万円で生活できるとは思えず、話を鵜呑みにすることができませんでした。
彼女が言うには、
「一軒の家からたくさん借りられないから、あちこちから借りて何とかしようと思っている。」
と言うことでした。
息子の同級生のお母さんを疑うのは申し訳なかったのですが、1万円といえば、私にとっても大金です。
もしも、貸してあげて、返ってこなかったら、それでも良いという金額ではありません。
当時私は家で編み物の内職をしながら、子供を保育園に預けていました。
内職なので、多いときは10万くらいになりましたが、ないときは2~3万とムラがあり、年間平均すると月に5~6万円くらいにしかなりません。
1ヶ月間、一生懸命にセーターを編んでもそんなくらいの収入なので、その中の1万円はかなり大きいものでした。
それに、その人とそれほど親しい間柄でもなく、どんな人なのか、どんな生活をしてるのかもわかりませんでした。
それで、その日は
「現金は置いていないので」
と言って、帰ってもらいました。
越してきたばかりで、それほど親しい人もいなかった私は、他に相談する人もなく、保育園の先生に相談してみました。
すると、先生は、
「あそこの家は、保育料がタダだから、元々それほど収入があるとは思えない。私の個人的な考えとしては、お金は貸さないほうが良いと思う。」
と言うことでした。
先生が父兄のことを他の父兄にそんな風に言っても良いのかなぁ、という疑問は残りましたが、私としては、正直に話してももらって、決心がつきました。
そして、翌日
「1万円と言えば、私にも大金。貸すとしても、義母に借りて貸さなければならないと思う。義母に貸して欲しいとは、言いにくいから。」
と、断りました。
ウソも方便だと思いました。
彼女も、お金を借りてまでも貸して欲しいとは言わなかったのでほっとしました。
その後どうしたのかわかりませんが、私の心の中には、嫌なわだかまりが残りました。
”本当にお金に困っていたとしたら、私は不親切。
嫌なヤツ。
でも、もしも返してもらえなかったら1万円は大きい。
失礼ながら、お給料を落として、全額借りなければならない生活をしているなら、たとえ、1万円と言っても翌月返すのは相当大変なことだろうと推測されました。
やっぱり、貸さなくて良かった。”
そんな思いが繰り返し駆け巡りました。
もしも、お金を返してもらえなかった時のトラブルを想像するだけでも、うんざりでした。
その後、小学生、中学生になってからも息子とその人の子供は同じクラスになったり、私がパートで勤めた会社で一緒に勤務したりと、何かと縁がありました。
でも、話はしましたが、それほど仲良くお付き合いをすることはありませんでした。
そのことは、すっかり頭の中から消えてしまっていましたが、昨日、久しぶりに会って、そんなことを思い出しました。
あの人は私がお金を貸さなかったことをどう思っていたんだろう。
本当にお給料をなくしてしまったとしたら、どんなに大変な思いをしただろう。
そこに手を差し伸べてやらなかった私は冷たい人間だよなぁ。
などと思いました。
もしも、私だったら・・・
もしも私だったら、お給料を落としても、子供の同級生の親に借りに行くことはしないなぁ。
お金の貸し借りは、上手くいかないと関係が悪くなってしまうもの。
やっぱり、あの人がどう思っていようと、あの時、お金を貸さなくて良かったかなと思いました。
いつも火曜日は火曜特売、略して『火特』の日です。
でも、昨日の火特はいつもの火特と違って、棚卸し前の特売でした。
なので、半端じゃなく安い。
食パン一斤60円、バナナが6本ついて一房100円、アスパラガスは2束で150円、500gのプレーンヨーグルトが90円、などなど。
私が仕事を終えてスーパーに着くのがだいたい6時ちょっと前。
少し店内を歩いていると、店員さんが、あちこちで値札を張り替えています。
6時を境に生鮮食料品などは、火特で安くなっている上に更に安くなるというわけです。
一通り買い物を終えて、レジに行くと、どのレジも行列。
最後尾に並んでいると、息子の同級生のお母さんと目が合いました。
あれ?と思って、目を合わせたまま会釈をすると、大きなマスクに目だけ出した状態でいる私のことがわからなかったらしく、しばらく不思議そうに私を見ていましたが、やっと気づいたらしく、「あぁ」とちょっと笑って、挨拶を返し「ずいぶん混んでいるね。」と言いました。
彼女は、娘さんとお孫さんと買い物に来ていたようです。
彼女もお孫さんに囲まれて幸せにやっているんだなと思いました。
その彼女には、あまり気持ちの良くない想い出があります。
私がこの地に越してきたのは息子が5歳の時。
我が家的にいろいろ事情があって、この地にきたのですが、こちらに来てから息子と娘を保育園に預けて私は働き始めました。
市立保育園なので、規模も小さく園児の数もあまり多くありません。
息子と同級生と言っても10人前後くらいの園児しかいませんでした。
子供の送り迎えで同級生の親とも顔を合わせるようになり、何人かの人と顔なじみになりました。
そんな時、突然、一人の同級生のお母さんが、私の家をたずねて来ました。
「主人のお給料を全部落としてしまったの。
とても生活することはできそうにないから、1万円貸して欲しい。」
と言うのです。
いくら25年前のことと言っても、お給料を全部落としてしまって、たったの1万円で生活できるとは思えず、話を鵜呑みにすることができませんでした。
彼女が言うには、
「一軒の家からたくさん借りられないから、あちこちから借りて何とかしようと思っている。」
と言うことでした。
息子の同級生のお母さんを疑うのは申し訳なかったのですが、1万円といえば、私にとっても大金です。
もしも、貸してあげて、返ってこなかったら、それでも良いという金額ではありません。
当時私は家で編み物の内職をしながら、子供を保育園に預けていました。
内職なので、多いときは10万くらいになりましたが、ないときは2~3万とムラがあり、年間平均すると月に5~6万円くらいにしかなりません。
1ヶ月間、一生懸命にセーターを編んでもそんなくらいの収入なので、その中の1万円はかなり大きいものでした。
それに、その人とそれほど親しい間柄でもなく、どんな人なのか、どんな生活をしてるのかもわかりませんでした。
それで、その日は
「現金は置いていないので」
と言って、帰ってもらいました。
越してきたばかりで、それほど親しい人もいなかった私は、他に相談する人もなく、保育園の先生に相談してみました。
すると、先生は、
「あそこの家は、保育料がタダだから、元々それほど収入があるとは思えない。私の個人的な考えとしては、お金は貸さないほうが良いと思う。」
と言うことでした。
先生が父兄のことを他の父兄にそんな風に言っても良いのかなぁ、という疑問は残りましたが、私としては、正直に話してももらって、決心がつきました。
そして、翌日
「1万円と言えば、私にも大金。貸すとしても、義母に借りて貸さなければならないと思う。義母に貸して欲しいとは、言いにくいから。」
と、断りました。
ウソも方便だと思いました。
彼女も、お金を借りてまでも貸して欲しいとは言わなかったのでほっとしました。
その後どうしたのかわかりませんが、私の心の中には、嫌なわだかまりが残りました。
”本当にお金に困っていたとしたら、私は不親切。
嫌なヤツ。
でも、もしも返してもらえなかったら1万円は大きい。
失礼ながら、お給料を落として、全額借りなければならない生活をしているなら、たとえ、1万円と言っても翌月返すのは相当大変なことだろうと推測されました。
やっぱり、貸さなくて良かった。”
そんな思いが繰り返し駆け巡りました。
もしも、お金を返してもらえなかった時のトラブルを想像するだけでも、うんざりでした。
その後、小学生、中学生になってからも息子とその人の子供は同じクラスになったり、私がパートで勤めた会社で一緒に勤務したりと、何かと縁がありました。
でも、話はしましたが、それほど仲良くお付き合いをすることはありませんでした。
そのことは、すっかり頭の中から消えてしまっていましたが、昨日、久しぶりに会って、そんなことを思い出しました。
あの人は私がお金を貸さなかったことをどう思っていたんだろう。
本当にお給料をなくしてしまったとしたら、どんなに大変な思いをしただろう。
そこに手を差し伸べてやらなかった私は冷たい人間だよなぁ。
などと思いました。
もしも、私だったら・・・
もしも私だったら、お給料を落としても、子供の同級生の親に借りに行くことはしないなぁ。
お金の貸し借りは、上手くいかないと関係が悪くなってしまうもの。
やっぱり、あの人がどう思っていようと、あの時、お金を貸さなくて良かったかなと思いました。