市民に親しまれてきた餃子を一度により多く焼くために考えられた方法が、フライパンに餃子を丸く並べて焼く方法です。餃子焼き機のような便利なものが無い頃は、それが一番効率の良い焼き方だったのでしょう。
浜松餃子の特徴の1つである円型に焼いた真ん中の穴に、付け合わせとして茹でもやしが添えられるようになったのも、戦後まもなくの頃からです。茹でもやしは、一度に大量に餃子を食べる浜松市民に、餃子の箸休めとして受け入れられました。
餃子が市民に根付いてくると、それぞれのお店は、それぞれの餃子の味に合ったこだわりのタレ・ラー油(一味。「からし」と呼んだりもする)を持つようになりました。これらの流れは今に引き継がれ、浜松餃子の特徴を担っています。
現在、浜松の餃子は、『戦前の流れ』、『戦後の流れ』の他に、「自分ならこういう味」という、その後に発展していった『オリジナルの流れ』の3本の流れを持っています。つまり、これらの流れがひとつの大きな流れとなり、現在の『浜松餃子』となりました。いろいろなタイプのこだわり餃子があるのもその為で、だからこそ、浜松は、“天然の餃子ミュージアム”と言えるのです。
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