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『2ひきのいけないアリ』
作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ/訳:村上 春樹/あすなろ書房
あらすじ> 女王様のため美味しいクリスタルを求め、アリたちは危険な旅に出かけます。着いた所は人間の家、砂糖壺の中でした。ところが、2匹のいけないアリたちは、帰らずにそこで思う存分クリスタルを食べて暮らそうということに。しかし翌朝、人間の世界で大変な目に遭うことに。
最大の見応えは、アリ目線で巨大な人間の世界に翻弄される場面でしょう。まずコーヒーの中に投入され、トースターに入ったり排水口に流されたり、コンセントの穴に入って感電したりと散々な目に遭います。
最後はなんとか巣に戻ることができ、2匹はこの上もない幸せを感じるという終わりです。(約15分)
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ほかの、オールズバーグの細密でリアリティある絵とは少し趣が違い、線画というかイラストっぽいタッチになっているのも特徴です。「砂糖」とか「コーヒー」という言葉を一切使わずに、読み手が推測できるようになっている文章もいいですね。あくまでアリ目線ですから。
ナマケモノやルールを守らないとこうなるよーという、教育的指導を感じるところが個人的には少し気に入らないですが、「アリ目線を感じる」というパニックものとして見ると面白いので、3年生くらいからいけそうな気がします。
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