友人にマンガをお借りしました~。失くしたものが見つかるという宿を舞台にした和風ファンタジー。単なる遺失物ではなく後悔やかけがえのない思いを表すモノで、何をなくしたか本人が解らないことも多いのがポイントです。宿の「女将」は10歳くらいの無愛想な少女で、謎の男「マツウラ」が連れてくる「客」の失せ物を探し当てる手伝いをします。(以下ネタバレ)
「うせもの」は、死者の未練であり、それを解消するエピソードが2巻まで1話完結で続きます。夫婦や親子の絆、親友に対するコンプレックスが醜く出てしまった女性、プライドを失った脚本家など、辛く皮肉な死に様によって浮かばれなかった人々の思いが、うせもの宿で氷解していきます。
しかし私には、ちょっと情感過多でした。ミステリアスな少女「女将」の存在に、あまり愛着が沸かなかったのもあり、話に乗り切れず。それと、こういう話は『花田少年史』が自分内ベストだしな~という気持ちが強かったです。
とはいえ、女将の過去が明かされるクライマックスはさすがにぐっときました。養護施設で育った二人が再会し恋人同士になるも、幸せになるためにしたそれぞれの選択が、皮肉な悲劇を生みます。死者と生者の世界に別れてしまったふたりですが、女将の記憶が戻ったとき、このまま一緒にお亡くなりでいいんでは?とすごく思いました。
しかし、物語は生きることの尊さを表したかったようです。ラストに松浦が見た眩しい世界が、生への讃歌、生きていることの尊さを象徴していました。
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