「平成30年5月20日発行」の本です。妻の父(故人)が、かつて芸備線(げいびせん)に乗務していたことがあるゆかりで、この本を購入しました。妻の父は機関車のボイラーに石炭をくべていたそうです。
芸備線は備中神代駅(びっちゅうこうじろえき)から三次駅(みよしえき)を経て広島駅に至るもので、三江線(さんこうせん)は、江津(ごうつ)から三次駅までの路線です。
三江線は、残念ながら平成30年3月末日に営業を終え、翌4月1日に廃線となりました。
三江線は大正8(1919)年に「速成期成同盟会」が結成され、大正15(1926)年最初の工事に着手、多くの難題を克服しつつ、全線開通となったのは、やっと昭和50(1975)年のことでした。何と半世紀掛かっての開通実現だったことになります。
この記録集を見ていると、三江線が多くの人の願いや労力によって開通したことや廃線となったことの経緯がわかります。そして、鉄道がいかに多くの人の生活を支えてきたかということも改めてわかりました。この三江線のもつ資源的な価値、歴史的な価値を、これから活かしていくことができますように、と願うものです。