映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

573-石工の名前

2014年03月05日 | 30秒の心象風景
 石造物に刻まれた文字をよく見ると奉納された年号とともに必ず刻まれているのが奉納者名である。願主や世話人という形で名前が記されている。特定の人名ではなく、氏子中や、観音講のような団体名で記されていることも多い。多くの人々の寄付を募ったと思われるものには、集落名が列挙されていることもある。そのような石造物では江戸時代の集落間のつながりまでも見えてくる。しかし、希に実際の築造技術者と思える石工の名前が記されていることがある。石工には名前だけでなく、その石工の在所が集落名で記されている。身分制度がはっきりとしていた江戸時代に、名字を持たない人達は、その名前で人々とのつながりを表すには、集落などの邑名が必要だったのだろう。(石造物の文字から3)

30秒の心象風景4744・天明の石工~小野・浄土寺~1
http://youtu.be/59FETour04Q
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