下太田廃寺跡に建つ薬師堂は、小さいながらも丁寧な造りのお堂です。お参りする人も多いようで、様々な奉納物が見られます。ただ、集落から離れた田圃の真ん中という存在で、不用心になることを気遣い厳重に管理されているようにも思えます。そのお堂の屋根は豪華な瓦葺きです。頂上にある露盤には、伏鉢から受花、そしてその上に火焔宝珠がのります。露盤の隅にも蓮弁を抽象化したような飾りがつけられ、その全てが、灰銀に輝く瓦製です。4方に伸びる棟瓦の先には鬼瓦が備わり、庇には獅子の飾り瓦も見えます。決して安易なところが見当たらない本瓦葺きの仏堂です。
30秒の心象風景30080・薬師堂の屋根~下太田廃寺跡~
https://youtu.be/R69vcezzn4M