石灯籠が立ったまま崩れている。若一神社は加古川と支流の万願寺川の合流地点にある。神社の裏手になる万願寺川の堤防は最近整備されたようで、神社の前の道も新たにつけられた幅の広い車道になっている。境内を散策していると、鉄橋を渡る列車の音が聞こえてくる。加古川に沿って南北に走る鉄道が神社の東方で万願寺川を渡っているようだ。神社から鳥居越しに眺めると南に向かう旧道があり、その先に阿形町の集落が見える。旧道が集落から神社に向かう参道であったことは間違いない。神社の奉納物にも阿形という文字が多く見られ、輪番で神社の世話をしていたことがわかる札もある。境内に残る石造物には江戸時代のいくつかの年号が見られる。文政、天保、安政など江戸時代の終わり頃のものである。そして風化や崩落の激しい石灯籠がそのまま残されている。いつの時代のものかわからない。ここまで崩落した燈籠が、撤去されず、そのままの形で残されているのを見ることはあまりない。神社の経てきた歴史が今この形になったということなのだろう。神社の置かれた歴史の変化というものが見えてくる風景である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/c1/cf54e7ce9611fa31d48b7d8103aba839.jpg)
30秒の心象風景15567・崩落~石燈籠~
https://youtu.be/BrK_nEksvSM
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