茶色の蜻蛉柄風呂敷…道着を仕舞うのに愛用しております。
私が国士舘大学居合道部へ入部した直後、町田の東急ハンズで買ったものなので、もう10年以上前になるのですね。
とても丈夫で、もちろん若干退色していますが、ほつれや傷などは全くありません。
トンボは、雄略天皇の周りを鬱陶しく飛んでいた虻を捕まえた名誉、そして前にしか進まない不退転の虫として「勝虫」とも呼ばれています。
従って菖蒲に並び、縁起柄として和小物でもよく見かけますね。
子供の頃からこの蜻蛉柄が好きで、刀袋や巾着でも愛用しています。
日本の雅称「秋津洲」の「秋津」も蜻蛉を意味しており、日本は田畑や至る所に蜻蛉が飛び回っているから…という理由ではなく、神武天皇が高い山から日本を見たら、蜻蛉が交尾している形に似ていたから「トンボの島」になったそうです。あまりロマンチックではありませんね。だいたい『古事記』とか『日本書紀』はこんなものですが。
一方、私もつい最近知りましたが、西洋で蜻蛉は「dragonfly」と呼ばれ、コウモリやタコのように不吉な生き物と考えられているそうです。
民族や国が変われば、言語や政治観、宗教のみならず、自然を見る目も大きく異なることは実に興味深いですね。