わくわく!バンジージャンプするっ!

好きなものや気になることについていろいろ語ってみようと思います。

奇跡の住宅「旧渡辺甚吉邸」見学に行った

2023-09-07 17:10:00 | たてもの
あっという間に月日が経ってしまった…。

先日、旧渡辺甚吉邸見学に行ってまいりました。

旧渡辺甚吉邸とは。
奇跡の住宅- 旧渡辺甚吉邸と室内装飾- | LIXILギャラリー | LIXIL文化活動 - LIVING CULTURE

奇跡の住宅- 旧渡辺甚吉邸と室内装飾- | LIXILギャラリー | LIXIL文化活動 - LIVING CULTURE

 
元々白金台にあったお屋敷。
私が初めて知った時は結婚式場で。
何とか中を観る方法はないものかと
思っているうちに廃業。
その後の行方を確かめることなく、すっかり忘れていたのですが。
解体移築が決まったというニュースを拝見し、首を長くして待っていたところ
「百年名家」で移築が完了したとの
特集が。
おおお…移築バンザイ!
“幻のデザイナー”奇跡の洋館~茨城県取手市「旧渡辺甚吉邸」~

“幻のデザイナー”奇跡の洋館~茨城県取手市「旧渡辺甚吉邸」~

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あれから一年。
ようやく
実際に生で拝見できる機会が訪れました。

「旧渡辺甚吉邸」の第2回一般公開日が決定しました<br /

「旧渡辺甚吉邸」の第2回一般公開日が決定しました<br <="" p="">

前田建設工業株式会社

 
第1回は募集開始翌日に気づくもすでに満席で涙を飲み。
今回、募集開始時間ちょうどに、建築友達のチケットマスターがチャレンジしてくれ、それでもすでに数組予約済み。
あっという間に満席という、超人気の見学会です。
ありがとうNちゃん。
感謝しつつ、参加です。

早速、見学レポートを。

場所は茨城県取手市。
そうそう普段行かないところ。
関東鉄道常総線の寺原駅すぐに
前田建設工業さんの研究所があり、
その敷地内にキリッとシュッと建っています。
明治の洋館のように威風堂々どっしりとか
そういう感じではなく。
とてもスマートというか瀟洒というか。
とにかく、細マッチョの英国紳士のイケメン。とても素敵で私好みなのです。(笑・すでに外観でメロメロ)



どの角度から撮ってもあまりにフォトジェニックで、選ぶのに迷う迷う。

写真の枚数が半端ないことになりましたが、まずは外観を一枚。

施主である14代渡辺甚吉さん。
元々は代々続く岐阜の資産家、実業家、銀行家。
こちらが渡辺甚吉さんとそのご家族。



オサレすぎる…。
暁星から東京商科大学へ
んで、卒業後一年弱ヨーロッパ視察に出かけ。
帰国後、建てたのがこちらの邸宅。
大卒3年目でこれ、建てられる???
スケールが違う!
チューダー様式なのは、ヨーロッパ視察に行った際に「これじゃ!」と思ったらしい。(この視察旅行には遠藤健三氏も同行。
ふたりともチューダー様式が気に入ったのでとされている。)
この
遠藤健三氏は渡辺甚吉氏と同郷で8つ年上。
幼馴染なのかな。建設業を営むお宅のご長男で高校卒業後、上京。早稲田大学の建築科を卒業。大学の先輩があの「あめりか屋」の山本拙郎氏で、彼に誘われ「あめりか屋」に入社した人物。

この縁でこの邸宅を山本拙郎氏が手掛けることになったとのこと。

山本拙郎氏と聞けば。
昨年「京都モダン建築祭」に行った際、
抽選に外れ門前払いされた
「革島医院」を思い出します。。
やっぱり革島医院、中見たいなぁー。

そして、旧渡辺甚吉邸で外せないのは
「今和次郎」氏

昔昔。遠い昔。まだネットもない時代。
文化の香りがしない超countryに住んでいた頃。
渋谷のパルコだったか何処だったか。
偶然通りかかった時に
今和次郎氏の著作あれこれが平積みにされていて。

それが「考現学」との初めましてだったと記憶しています。

こんなことを研究する学問があるんだと当時は大変に驚き、とても興味を持ちました。
眺めていると時代の匂いを感じるというか。ちょうど昭和初期の建物を眺めるのに似ている感覚かも。
バラック装飾社のあたりで
建物の歴史を追いかけていくとまた繋がったりで感動したり。

そんな今和次郎氏が装飾品のデザインを担当って。
否が応でも期待が高まります。

 照明が神





玄関一発目から何とも上品な。
リビングはゴージャスに。


下から見るとこんな。



共用部の照明も凝っています。











シーリングもシンプルで何気ないのに
上品だ。


これは電話室脇のライト。
夜に長電話したくなるわ。

こちらは、ただ丸いだけかと思いきや吊るした鎖のデザインが凝ってるのなんのって。目を凝らして見てほしい。


階段のライトは風に揺れ、壁に映る影さえ美しい。



寝室も抜かりなく。





寝室は間接照明は現存していましたが、主照明のシャンデリアは喪失の模様で残念。
当時の写真を見ると、こちらの壁付けシーリングと同一のデザインでコーディネートされていました。
うーん。見たかった。

 我が愛しのラジエーターカバー

何処の洋館に行っても、食い入るように眺める大好物のラジエーターカバーマニア。
こちらも一級品。

通気口もこの仲間に。
まずは玄関外。


お花の形が可愛い。
期待高まる。。

書斎はシンプルで大人な感じ。

作り付け家具の下部にも抜かりなく。


おっ、王家の紋章 チューダー調な感じ?
凝っていてしかも可愛い。


ちょっとアレンジした雰囲気で。



アールデコ的な印象。






婦人用の浴室。お花柄でガーリー
浴槽もピンク色でした。


こちらは主浴室についていたラジエーターカバーと物入れ扉。


全館地下のボイラー室から暖気を送る最新式セントラルヒーティングだったそうです。超お金持ち。

今和次郎氏がデザインして
それを実際にカタチにする職人さんがいて。この家を見ているとその熱意がびんびん伝わってくる気がします。

 彫刻ですか?
壁から手すりまで手も気も抜かない。

こちらは階段の柱。






これは張り?って言います?


これが天井の端。
端でも充分美しいのに…









圧巻なのはこちら。
ジャーン!


細部取りすぎて全体像がわかる画像がない。。
食堂の天井が全て白いレリーフで覆われているのが、とにかく圧巻。

入ってワーっとため息が出る美しさです。全体像は、奇跡の住宅の全体像から見ていただくとして。


こちら階段ホール。
柱も手すりも壁も細工していないものはない。
くどいかと思いきや絶妙なバランスなのでゴテゴテ感も下品さも皆無です。

ちょっとした扉にも凝ったデザイン。


階段の踊り場。












見事としか言えない。

 やっぱりタイルは泰山タイル
甲子園ホテルに伺った時も江戸東京たてもの園でも
私の目をハートにした泰山タイル。
たくさん使われていました。
まずは玄関。

えんじ色が渋い!

イングルヌックの床はオレンジ色。

トイレはベージュ





お風呂はブルー


グラデーションがとても美しいのです。

 金具類に愛が溢れる

今和次郎先生デザイン
スイッチカバー
ぶどうの柄。
横は呼び鈴?







二つバージョンもあります。

ドアノブ
スイッチとお揃いの柄。




丸いドアノブも凝ったデザイン。

こちらは和室の襖の取手。


細かい模様があしらわれている。

これは天蓋金具。
寝室と子供部屋、デザインが微妙に違う。






書ききれない…
まだまだあるので
次に続く。













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