_Jリーグは、スポンサーやサポーターといった直接的な取引相手や顧客だけで成り立つビジネスではありません。
行政の支援、地域のボランティアの奉仕が加わってなんとか運営が成り立っています。
練習場については、親会社のバックアップか行政のバックアップに頼る所が大きいです。
クラブは長期的整備計画を練って、練習場やクラブハウスの問題を一歩一歩クリアしていっているのが現状です。
_情報統制されている様で、埼玉スタジアムの赤字額については……。
検索しても、古い記事しか出てきません。
_私が知る限りでは……。
横浜FMや東京Vは、練習場の借用契約すら経営を圧迫している状況。
横浜FMは、日産本体が賃料を安く設定してもらいながらも赤字となっている。
浦和の場合は、レッズランドを自前で運営してるがそれも赤字との事。
東京Vは、ユースが毎年1億程度利益をあげている事から……。
移転計画はあっても、進んでいません。
トップチームの練習場とクラブハウスの移転先は、常に探している状況です。
_近年になって練習場を整備したクラブを、思いつく限り挙げて見ます。
湘南・ジェフ市原千葉・水戸・大宮、といったクラブの名前が記憶にあります。
クラブハウスを整備したクラブは、ジェフ市原千葉・大宮・鳥栖。
_時間のかかる問題であり、東京オリンピックが終わるまではコストが高騰し続けるでしょう。
経営体力をつけるまで、クラブを地域に溶け込ませる努力が求められそうです。
しかし、自治体によっては少子化の影響が大きく左右するケースもあります。
長期的視野に立った、スタジアムの立地は見過ごせません。
_逆に言えば、サッカー文化を街づくりに生かす事。
これが、少子化の影響を和らげる可能性はあります。
歴史を紐解けば……。
文化レヴェルの興隆は、文明や国家の存続に関ってきます。
世界における普遍的なスポーツを通じて、共通の理解が得られる利点は計り知れません。
それは目に見えない、個々人の精神世界を彩る要素としても魅力的であります。
_将来的に35000人収容のスタジアムをJ1基準にするという案が、2012年末に出ていたと中日スポーツで2013年2月22日に報道された。
恐らくは、プレミアリーグ創設に向けた骨子であろうと考えられる。
J2基準が20000人という事は、既に2011年3月9日の高松市長の屋島陸上競技場改修を断念というニュースで出ている。
これは、柏レイソルに柏の葉公園総合競技場(20000人)を使わせ……。 運用者 千葉県まちづくり公社
大宮アルディージャには、埼玉スタジアム2002(63700人)を使わせる案なのだろう。 運用者 公益財団法人埼玉県公園緑地協会
_どちらも県の計画で建設されたスタジアムだが、埼玉スタジアムはW杯招致の柱としての側面もある。
それも、浦和レッズがリーグ戦で観客動員が見込める事で運営が成り立っていると思わされている。
実際は、レッズ以外の試合。
高校サッカーや、日本代表の開催収入を合わせても1億5000万円の収入。
これに対し、支出を箇条書きしてみた。
施設設備の保守点検管理費 約1億3600万円
電気料金等光熱水費 約1億3000万円
人件費 約1億3800万円
その他(警備費、清掃費、一般管理費、芝生管理費等) 約2億2600万円
赤字額について……。
2002年は5億8000万円、2003年は4億8000万円。
2002年はW杯が開催された為に、支出が増えた事が予想されます。
_スタジアムを商業施設と併設させる試みは、既に海外のサッカークラブが行っています。
行政の仕事では、不動産としてのスタジアムの側面が弱くなっているのです。
スペインの1部リーグ、リーガエスパニョーラ。
レアル・バルサといった2強に続く第2集団で……。
常に上位を伺うチームであるバレンシアは、スタジアムを自前で持とうとして、巨額の負債を抱え込んでしまいました。
地元の銀行が債権者であった為に、破産だけは免れてきたのが現実です。
今オフに新スタジアムの工事は中断したまま、クラブは身売りしました。
_逆に、アーセナルやユベントスが自前でスタジアムをプロジェクトとして掲げ……。
成功を収めています。
それ以前から、バルセロナ・レアルが自前のスタジアムで戦っていた様です。
検索したところ……。
詳しくは、スポーツビジネス 最強の教科書 を読むと良さそうです。
_イタリアではラツィオがローマ市に、スタジアムの建設の協力を求めたそうですが……。
上手く話は、運ばなかった様です。
イタリアのスタジアム問題は、行政の問題でもある訳で……。
整備の遅れが、観客動員を増やせないと結論付けられがちです。
実際はサポーター(ティフォージ)達の教育レヴェルや、常識の欠如が一番の課題。
日本のサポーターの一部は、改善が叫ばれる悪癖をファッションとして取り入れている側面があります。
勿論、常識のある人間は距離を置く状況なので……。
先鋭化が一部で起こってしまっているのは、組織的な犯行ではないでしょうか?
_人が集まる所には、訳の分からない人間が現れるもので……。
何の警戒も無しに受け入れた瞬間に、個人のパーソナリティーへの介入も許す結果となります。
これは競技場だけで無く、ネット社会でも同様です。
勿論、常識というバリアが働けば……。
そういった他者の介入に遭う事は、避けられるのかもしれません。
_一番の課題は体感として、そういった空気が存在している事を認知出来るかです。
世間やよそ様といった常識だけで無く、個々人がパーソナリティーを日々研鑽しておかないと……。
他者の手によってコントロールされやすい状況にすら、遭遇しかねません。
_全体の利益から乖離し、一部の心理にしか興味が動かなくなる傾向。
これが、先鋭化をもたらす遠因ではないでしょうか。
サポーターは、贔屓のクラブだけでなく……。
様々な世の中の事象をも、クラブと結びつけて考えるトレーニング。
これを続けるだけでも、個々人の精神世界にも彩りをもたらすでしょう。
_その前に、Jリーグ自体が親会社・自治体。
ボランティアの存在があって、初めて成り立つビジネスモデルである事に立ち返らねばなりません。
オリンピックの御旗の下に、強引に我田引水の様な事業を進めようとすれば……。
早々に、プロジェクトは崩壊します。
バレンシアの様な末路を、辿る事は有り得ませんが……。
学ぶべき教訓として捉えなくては、先例を生かした事には成り得ません。
2014 9 月26日 19:30 訂正
バルセロナの様な末路 ×
正しくは、 バレンシアの様な末路。