選曲

尊敬しているドイツ文学者の先生がお亡くなりになられた。

ご高齢ではありましたが夏ごろまではお元気で
お会いすると、いつも変わらず極上の笑顔で
お応えくださるとても品格溢れる先生でした。

訃報を受けてすぐにお宅に伺いました。

もう、悲しくて悲しくて涙が止まりませんでした。
生前と同じように温かで穏やかなご表情で安らかに眠っておられ、
お声をかけたらお目覚めになられるかの様で
「先生！先生！」とお呼びしました。

先生は最近は、入院療養中でいらしたのですが
ビッグラーフは、先生が亡くなられる数日前から
先生へお渡ししたいものがあって、
奥様を訪ねて、先生のお宅を連日、訪問しては
玄関のチャイムを、ピンポン、ピンポン鳴らしては
「あー、奥様は今日もお留守。きっと、病院の先生のところへ行ってらっしゃるのかなあ。
先生、早くお元気になってお帰りになられますように！」と思って、
奥様にはお目にかかることは叶わず、引き返していました。

訃報をお聞きしたのは、最後に訪ねた２日後でした。
先生は、無言でのご帰宅となりました。

心より、ご冥福をお祈り申し上げ、
先生との思い出を大切にしてゆきたいと思っています。


・・・ご葬儀のお取り仕切りの方から、先生のお別れのお式で流す音楽の選曲を依頼された。
音楽をこよなく愛された先生をお送りする曲の選曲は、ビッグラーフには
身に余るほど光栄なことでありますが、とても難しいです。
先生に気に入って頂ければ良いのだがと先ほどから先生のお顔をずーっと思い浮かべつつ
ビッグラーフコレクションＣＤから数曲選んでみました。
ご葬儀までまだ時間がありますので、また、あれもこれもいいかなぁと
入れ替えたりすることもあるかと思います。
明日もまた考えてみたいと思いますが

先ほど選んだ１枚は、ロベルト.シューマンのCDです。
・オーボエとピアノのための３つのロマンス
・夕べの歌
・アダージョとアレグロ変イ長調
・幻想小曲集（オーボエ・ダモーレ）
・民謡風の５つの小品　
が収録さています。
心に訴えかける音色、純粋で美しい曲想で心に響きます。

もう一枚は、編集してみました。結局、自分が好きな曲を選んでしまった。
・ヨハネス・ブラームス　シンフォニー第１番　第４楽章
・ヨハネス・ブラームス　悲歌　op82
・J.S.バッハ　　無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第２番BWV1004より「シャコンヌ」
・クレンゲル　讃歌ヒムヌス op57
（バッハとクレンゲルの２曲はサイトウ記念のチェロアンサンブルに依る壮大で重厚な演奏です。
動画はサイトウキネンチェロアンサンブルではありません。）
・L.V.ベートーヴェン　シンフォニー第３番　第２楽章
以上で７３分になりました。
ドイツ文学者であられた先生を思い、思いっきり感動のドイツ！となりました。

歴史や国境を越えて世界中の人たちに愛されている名曲は地球の財産であり
そして、心身を平穏に癒してくれるチカラはミラクルだ！とつくづく感じ入り
ひねくれ者のビッグラーフも偉大なコンポーザーには素直に感動感謝でございます。
「先生～、この選曲はいかがでしょう？」