ソーム省が5年に一度実施している「住宅・土地統計調査」なるものの、回答者に当たったとかで、分厚い調査資料が送られてきた。
しかも封筒の表にはよく目立つように「この調査への回答は義務です」と書かれている。
調査に協力しないまま、いきなりゴミ箱へ直行…がかなり多いことをうかがわせる記述のように思えたが、当方としては特段忙しい訳でなし、どのようなことを聞こうとしているのか、興味もあって封を開いてみた。
調査内容を簡単に言うと、持ち家かそれとも借家か、戸建てか集合住宅か、戸建ての場合は土地は自己所有かそれとも借地か…などなどに加え、耐震性能の有無、断熱しているか否か、窓は二重か三重か…などの住環境についても項目を割いていて、わが家に欠けているものについて考えさせられてしまった。
我が家は1998年に建て替えをしているが、当時は阪神淡路大地震の直後でもあり、関東は直下型をはじめ、関東大震災級の大地震がいつ来てもおかしくないと言われていたことから、立て直しの際に特に気を配ったのが耐震性だった。
耐震性の住宅建設で定評のある住宅メーカーに発注し、しかも部屋という部屋はもちろんのこと、廊下や階段下などのちょっとしたスペースにも大型の収納庫を設けて、日常暮らす空間にタンスなどのモノを置かなくて済むように配慮を徹底した。
お陰で地震で家がつぶれる心配もなく、モノが動いて下敷きになるなんて危惧も一切なくなり、枕を高くして寝られる住環境を手に入れることができて満足していた。
しかし、アンケート調査に答えているうちに、そうか、時代は耐震性に加えて、断熱効果の高い家が求められているのか…ということに気付かされた。
ボクのように寒さに弱い人間はなおさらで、暖房具を使わなくても常に18℃を維持できるような住環境を手に入れることが出来れば快適そのもので、寿命にも関わって来るんではないかと、その点に配慮が及ばなかったことを悔やむばかりだ。
とはいうものの、当時、家断熱などという言葉は無かったし、ペアガラスというガラスが2枚重なったガラスを窓などに使うことが結露の防止に役立つとか言われて推奨されていただけで、壁の下に断熱材を入れて断熱効果を高めるという発想は、北海道などの寒冷地ならいざ知らず、比較的温暖な関東ではなかったのではないか。耳にしたことも無かった。
そういう手があり、家断熱を高める方法で建てた家が厳寒期でも自然のまま暖房を使わなくとも18℃を維持できるようなら、それに越したことは無い。
現につい最近、東京から越してきた老夫婦が家を新築したのが北海道に本拠を置き、最近首都圏でも業績を伸ばしている住宅メーカーの平屋建て住宅だった。
ときどき工事を横目で眺めたが、確かに分厚い断熱材をふんだんに使っていたのが印象的ではあった。
南側の屋根にはほぼ全面的に太陽光パネルが張られているし、窓はと言えば如何にも木枠がしっかりした分厚そうな窓になっていて、これなら確かに熱を逃がさないだろうなと感じさせるのに十分である。
20年前に、こういう住宅思想があれば寒がりのボクは耐震性能とともに、確実に断熱の家を手に入れただろう。
とはいうものの、もう一度建て直す財力なんて無いし…
化石燃料に頼るしかないんだろうなぁ…と、いささか寂しさを感じつつ、ネットで回答を送信したのだった。
近所の田んぼで稲刈りが始まった
大した面積がないせいか、鎌を使って刈っていた
こちらは休憩中らしかった
田んぼ脇の空き地にはマルバルコウソウが咲いている
休耕田にはノギクの仲間
同じく休耕田では最近再び目に付くようになってきたセイタカアワダチソウが