洗濯物を干し終えて階下に降りてきた山の神がおかしなことを言う。
「アリがバラのつぼみを食べてるわよ」
…!????
そんな馬鹿な。アリがバラの花を食べるなんて聞いたことも無い。
論より証拠というからすぐにベランダに見に行った。
すると香りの良さが特徴の「セント オブ ヨコハマ」の4つあったつぼみのうち、中くらいの大きさまで膨らんだつぼみの一つが刃物か何かを使ってスパッと切られたように半分だけ残り、そこに数匹のアリがたかっている。
その傷口の生々しくも痛々しいこと…
ショックだ。
つぼみの根元の茎に長い口吻を突き刺して液を吸い、養分が届かなくなって頭をだらしなく垂れてしまうバラゾウムシ被害は実際に何度も経験し、悲しい思いをしてきた。
しかし、ツボミそのものをかじってしまうなんて…いったい何者の仕業か。
つぼみの根元には蜜栓があるはずだから、アリはアリできっと蜜を吸っているのだろうと納得した。
しかし、アリがつぼみをかじって半分にして蜜を吸う…なんて、にわかには信じられない。
翌朝。
被害に遭ったつぼみをいつまでも放置しておくわけにもいかず、切って捨てようと思って近づいたところ、既に開きかけていた一番大きなつぼみの茎に違和感を感じて目が釘付けになった。
長さ5cmくらいの薄い青緑色をした青虫がつぼみの直下4~5cmくらいのところでじっとしている。
お前だったか、真犯人は!
もちろん、直ちに逮捕し、処刑してやった。
理由はバラの開花を前にツボミをかじって花の命を奪った罪。
この犯行の前にもかじられたつぼみをひとつ確認しており、犯行を繰り返す悪質さも尋常ではなく、バラ界の安寧のためにも見逃すわけにはいかない。
割りばしを持ってきて抵抗する青虫を枝から引きはがし、土中深く放り込んで埋めてやった。
葉っぱをかじる程度にしておけば見逃したかもしれないものを…よりによって開きかけているつぼみを半分かじってしまうなんて…
結果は当然の報いだ。
それにしても、もう1輪も危ない所だった。
ところで、今年は4月は言わずもがな、5月に入っても朝晩は気温の低い日が続いているせいか、地植えしているわが家のバラの開花が例年に比べて遅れている。
お陰で、もしかしたら品種を問わず一斉に開花し、そのまま盛りを迎えるというような、北国の春のような情景が期待できるんじゃないかと密かに期待しているところなのだ♪
お見苦しい写真ではありますが…
「空蝉」♪ 2階のベランダは日当たりが抜群なので鉢植えのバラたちの開花は例年通り
空蝉七変化
色も形も日ごとに変化していく
挿し木して3年目の「ブラッシング アイスバーグ」
最初はピンクが差しているが次第に薄れ、最後は白くなって散っていく
地植えのブラッシング アイスバーグはようやく1輪ほころび始めた程度
こちらは「ノリコ」 ようやく一つ咲いた