痛めた腰にはまだうっすらと痛みが残っている。
しかし、経験則から言ってじっとしていれば治るというわけではなく、動かしながら、なだめすかしながら痛みを取り除いていくのが一番の方法だと信じている。
日曜日は円覚寺からの帰り道の5キロ余りをてくてく歩いて帰って来たのだ。
もちろん無理は禁物なのだが初夏を思わせるような陽気にも誘われて自転車で出かけてみた。
江ノ島の目の前に注ぐ境川河口にシラスの網元の店があって、店の裏が船着き場兼釜揚げシラスの干場になっている。
3月11日の漁解禁から40日余り。
例年通り解禁したては獲れない日々が続くものだが、今年もその例外ではなく、獲れたとしても少量で、そういう貴重品は料理屋に直行してしまうから我々の口には届かない。
だから当然のことながら今シーズンはまだ一度も口にしたことはなく、まだかまだかと首を長くしていたところなのだ。
いつも湘南海岸の自転車道路を走る時はこの網元の店の前を通ってコースに出ることが多く、これまでは何度通っても干場も店も閑散としていたのだが、この日ばかりは干場にも店にも活気が満ち溢れ、川沿いの干場には釜でゆで上げたばかりのシラスがうっすらと湯気を立てながらずらりと並んでいた。
思わず自転車を止めて作業中のおばちゃんに聞くと今シーズン初めての大漁だとニコニコしている。
生シラスもあるのか、と聞くと「た~ぁっくさんあるわよォ! 」と弾んだ声が返ってきた。
これが夕餉の食卓に登場した今年の初物の江の島沖生シラス ♪
生シラスの生命線は鮮度なので、このまま何もつけないで口に放り込んでも、ほんのりした甘みが舌の上に広がるので調味料の類は不要である。
海で獲れたてを海水でサッとすすいで食べれば天然の塩味がしてこれはこれでとても美味しいが、食卓でとなるとそうもいかない。
で、ボクは酢だけか、ごく薄い酢醤油にちょっとつけて食べるのを好む。
もちろん適度に冷えた日本酒というものが欠かせないのは言うまでもない。
こういう敏感で繊細な食材を食べる時、わがニッポン酒というのは実によくできた飲み物で、何よりも食材の味を引き立ててくれ、そのうえ、心も解きほぐしてくれるのだから言うことはない。
いつもの食事はたいてい赤ワインで済ますのだが、ここはやっぱり日本酒に限る。
で、境川のもう少し上流の駅前の酒屋に出かけて行って例の1本を首尾よくゲットしてきた。
それがこの秋田県由利本荘市の酒蔵の「雪の茅舎」の一升瓶。
その中でも秘伝山廃仕込み純米吟醸 ♪
店のおかみさん曰く「この上に山廃の純米大吟醸があるんだけど、ちょっと高いのでこれは絶対お勧め」と。そして続けて「NHKで紹介されちゃったでしょぅ、プロフェッショナルって番組で…。もう蔵には一滴のお酒も残っていないそうよ。うちは古くからの取引で付き合いがあるから優先的に回してくれたけど、残りは在庫だけ。そのことは頭に入れておいてくださいね」だと。
う~む、そいつは大問題だな。
確かに値段はそこそこで、しかも美味しいからなぁ~
という訳で、待ちに待った生シラスを、これまた秋田美人とともに頂くという至福のひと時を過ごしたのでありました。
湘南海岸自転車道を進むと茅ケ崎の手前でコース上に砂が堆積したままで、自転車は通行不能!
大型連休の前にはきれいに片づけてくれるんだろうね。
仕方なくだだっ広い砂浜で一人ポツンとうたた寝をすることに。
目の前で漁船がエンジンを止めて何かしているが…
浜辺で寝そべっていたのは1時間くらいだったはずだが…
自分自身の影は見えるのだが、真っ青な青空とは違って薄いベールが懸かった様な空で安心していたら、真っ赤に日焼けしてしまい、風呂に入ったら痛くてかなわなかった。
油断大敵。
最初は気づかなかったのだが、江の島をよく見ると島がケーキみたいに縞模様が付いている ♪
天地がチョコレートのスポンジケーキだとすると、間に挟むのは何がいいかね。
大昔、「シベリヤ」ってケーキがあったなぁ。今でもあるのかな。
思い出しちゃったね。
あそこに空気の逆転層のようなものが出来ていたんだろうか。
それにしても初めて見る光景。自然というのは時として面白いものを見せてくれる ♪