昨年暮れの座禅会で円覚寺の横田南嶺管長の口から告げられ、ラジオのスイッチを4時に合わせておいて自然と声が聞こえるようにしておいたおかげで、漏らさず聞くことが出来た。
題は「初心忘れまじ」。NHKのラジオ深夜便で40分、老師の声が流れた。
生まれてきたことの不思議に感謝する
今日までこうして生きて来られた不思議に感謝する
お互いにめぐり合うことが出来た不思議に感謝する
腰骨を立てて背筋を伸ばし、おなかに力を込めて、深く静かに呼吸をするのです
老師は座禅会の冒頭、坐禅をするときの心構えを説いた後、この3つの感謝を必ず口にされる。ラジオでも同様であった。
そして中学生の時、上京して松原泰道師から頂戴した
花が咲いている
精いっぱい咲いている
私たちも
精いっぱい生きよう
この短い文章に勝るものはない。これが真理だと思う、と。
難しい経典の数々を読み込んできた人というのは、経典中の言葉を引くのではなく、こういう簡潔で平易な表現を好むのか。
老師からそう言われてみると、簡単な言葉で表現されたごく短い詩のようなものだが、眺めていて、なるほどなぁと思う。
そして「光は必ずさしてくる。思えばさしてくる。そう念じて生きてゆくことが大事だ」とも。
おしまいに挙げたのが坂村真民の「二度とない人生だから」という詩。
ちょっと長いが書き連ねる。
二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛をそそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳をかたむけてゆこう
二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないように
こころしてゆこう
どんなにかよろこぶことだろう
二度とない人生だから
一ぺんでも多く便りをしよう
返事は必ず書くことにしよう
二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに
できるだけのことをしよう
貧しいけれど
こころ豊かに接してゆこう
二度とない人生だから
つゆくさのつゆにも
めぐりあいのふしぎを思い
足をとどめてみつめてゆこう
二度とない人生だから
のぼる日 しずむ日
まるい月 かけてゆく月
四季それぞれの星星の光にふれて
わがこころをあらいきよめてゆこう
二度とない人生だから
戦争のない世の実現に努力し
そういう詩を一篇でも多く作ってゆこう
私が死んだら
あとをついでくれる若い人たちのために
この大願を書きつづけてゆこう
あやかれるものならあやかりたいものである。
2015.1.2 AM6:23 ベランダに敷いた木製の板が凍りついていて、歩くとギシギシと音を立てる
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