気象庁から暖冬予報が出ていて、その通りの日々が続いていたのだから、御託宣通りに貫徹してくれればいいものを、途中で方針変更するなんざぁ中途半端の極みじゃないの。
冬将軍としての沽券にかかわるんじゃないのかい。
もっとも氷点下にも届かない気温を指して寒い寒いと言ってるんであって、いい気なもんだが、ぬるま湯につかるような日々を送っていた身には、だからこそ、こたえるのである。
いい気さついでに、アベなんちゃらが遣っていた変な日本語について。
そもそもあの舌が短いようなしゃべり方が気に触るのだが、身体的特徴をあげつらうのはフェアじゃないから止めておくが、10日に放送されたNHKの番組で、夏の参院選について「自分たちだけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと3分の2を構成して行きたい」と語ったそうである。
衆院では既に3分の2の議席を確保しているから、参院選にも勝って3分の2の議席を確保したら、ただちに憲法改正の発議をして「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3大原則を盛り込んだ憲法をどぶに捨て、現行憲法とは真逆の、権力者に都合の良い、国民を縛るような憲法の制定を目論んでいるのである。
だが待てよ。この言葉の遣い方、引っかかるんだよなぁ。
「責任感の強い人」って言ってるけど、じゃぁ憲法改正の必要はないって考えてる人は「ムセキニンな人」ってこと?
われらが宰相のアベなんちゃらは時々へんちくりんな日本語を使うんだよな。どこで習うとこういう語法になるんだろう。
舌足らずの言い回しは我慢しているんだから、せめて言葉遣いには気をつけてもらいたいと思うんである。宰相なんだからさ。一応、権力が集中しているリーダーなんだからさ。
「憲法違反ですよ」という大方の専門家の指摘を無視して、しかも、国民の半数がマスコミの世論調査に「反対」の意思表示をしているにもかかわらず、そんなことはどこ吹く風で、一連の安保法制を成立させてしまった厚顔さ。
そして参院選で3分の2議席をとったらこっちのもんだと言わんばかりに憲法改正に前がかりになっているアベなんちゃらを見ていると、ちょっと待ってよと言わざるを得ない。
「アンタは活動家か?」と。
目的に向かってただ一直線に突っ走ればいいんだという態度は、さまざまな民意を束ね、少数意見にも十分な配慮を求められる宰相の立場とはまったく相容れないんじゃないかね。
宰相たるもの、国民各層のさまざまな意見に耳を傾け、出来るだけ多くの人々が歩み寄れるような合意点を探りながら時間をかけ、議論をも重ね、国民各層に理解が進んだところで、ようやく腰を上げるというのが筋なんだと思う。
しかも、国の大本を変えるのであるから、なおのこと国民の理解が進むまで、じっくり時間をかけるべきなんである。
こういうのを世間一般では「慎み」って言うんだけどね。で、特に政治家に求められているんだけれど、アベなんちゃらが持ってる辞書には載ってないんだろうか。
憲法改正に限らず、異なる意見がふくそうするような物事を進める道筋では、さまざまな配慮を重ね、妥協すべきは妥協し、折り合えるところは折り合い、無理なところは引っ込めながら進めていくというのが宰相の宰相たる役割なんだよな。
その昔、政治倫理が問われていたころの国会論戦で「政治倫理とは何か」と問われた当時の警察官僚上がりの法務大臣が「リンリ、リンリと鈴虫の合唱のようだが、八百屋で魚を買おうとする類のもので、そもそも売っちゃあいない。買おうとする方が(政治家に求める方が)無理な話だ」という趣旨の発言をして物議をかもしたことがあった。
まさかアベなんちゃらもご同様じゃあないでしょうね。
たしかに「ツツシミ、ツツシミ」って、言いにくいもんね。でも、そんなこと言ってる場合じゃないんだよ。
そもそも宰相の資格なんて備えていないって? だったらアンタはやっぱり活動家か。
昔、全共闘、今、アベなんちゃら。因果は巡る…。ンなわけないよナ。
露天商が落したのか、買ってもらった子がこぼしてしまったのか…。鶴岡八幡宮の参道に小さいけれどカラフルな星屑が散らばっていた。
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