正月用に日本酒を2本注文した ♪
フランスが誇る高級シャンパン「ドン ペリニョン」の5代目シェフ・ド・カーブ(醸造最高責任者)を28年に渡って務めたリシャール・ジョフロアがドンペリづくりから足を洗い、何と日本酒造りに転身して世に問う逸品である。
ドンペリと言えばバブル盛んなりし頃はもちろん、つい最近まで銀座などの高級クラブで1本ウン十万円もするようなものが連日連夜ポンポン栓を抜かれていたという話は耳にした。
特段羨ましいとも思わないが、一度くらい味わってもよかったなとは思う。しかし、自腹を切る気にはなれないし、かといってそんなバブリーなニンゲンとの付き合いも無いから多分縁のないまま過ぎていくことだろう。
ただ、医学博士号を持った、いわばフランス杜氏のチャンピオンというべき人物が日本酒に魅せられ、自ら酒造りに乗り出したとあっては黙って見過ごすわけにはいかない。
3000m級の立山連峰を望む富山県立山町白岩。
この豪雪地帯に株式会社「白岩」が誕生したのが3年前の2018年のこと。新国立競技場で知られる旧知の建築家・隈研吾の設計で蔵が出来上がった。
「酒蔵は周囲の自然と一体感のあるものでなくてはならない」というのがジョフロワの考えだそうで、日本各地を歩いてここに決めたんだそうな。
そして「日本酒もワインも麴や微生物がどのように作用するか、発酵の妙であり、それは人生のミステリーそのものだ」「人生は次から次へと流れ動く。居心地の良い所を出て新しいことに挑戦すべきだ。医学からワインに、そして日本酒の世界に入ったのもそうだ」などという、なかなか奥深いことも口にしている。
まさに日仏合作の日本酒!
そこで誕生したのが「IWA5」という名の酒。
「IWA」は地名に由来し、フランスで「調和」を意味する「5」が加えられている。
ジョフロワの作る日本酒の特徴は何種類もの原種(種酒)を使うアッサンブラージュ(ブレンド)という技法だという。
約20種類もの原酒をブレンドしたものを1年以上熟成させて世に送り出している。
19年秋に仕込んだものが今年5月から市場に出回り始めていて、アッサンブラージュ1とアッサンブラージュ2があるので、これはぜひ飲み比べて見なくてはと、720m入り(¥14300)をそれぞれ1本ずつ注文した。
今年も寂しい正月になりそうだから、せめてお酒くらい少し奮発してという気持ちである。
雨上がりの午後、富士山が見えるかと思って散歩に出たが雲の中だった
冷たい雨と風が止んで嬉しくなったのか、トンビが画面に見えているだけで7羽がくるくる輪を描いて回っていた