ヒヨドリやドバト、カラスのような少し大きめの鳥たちも顔を見せるし、ごくまれではあるが、鳴き声がきれいなので中国から輸入されて逃げ出したものが繁殖したガビチョウの声が響くこともある。
小鳥たちが庭にやってきてひとしきり餌となる木の実や花の蜜を吸っていく様を目にすることはうれしいものである。
今の時期は花が少ないのでメジロの姿は見かけないが、間もなくツバキやサザンカが咲き始めるとやってくるはずである。
ジョウビタキは冬の鳥で、オスはオレンジ色と黒の衣装をまとい、頭には白銀色の帽子をかぶった洒落者で、目にするだけで楽しい。
ほかにもやってくる鳥がいるのだろうが、識別できるのはこんなところである。
シジュウカラに関していえば、去年の春に巣箱を手作りして庭の真ん中にあるカツラの木に掛けてみたところ、狙い通りに早速つがいが住み着いたと思ったら、太ったスズメがやってきて、あろうことか巣箱への攻撃を繰り返したため、シジュウカラは逃げ出してしまったのである。
代わりにスズメが住み着くのかと思いきや、シジュウカラが逃げ出したのを確かめるといずこかへ飛び去ってしまったから、まったくもってゴロツキ以下の所業である。
以来、スズメには敵意も持っているのだ。「スズメゴロツキ説」を唱えるに至っているのだ。あんちくしょうめ!
去年秋に山形の友人が「湘南の陽光を浴びた干し柿もオツだぜ」と自宅の庭に成った渋柿をごっそり送ってくれて、生まれて初めて干し柿を作った。
中にカビが生えてしまったものがあり、これを棒に括り付けて植木鉢に刺しておいたところ、乾燥や寒さがカビの繁殖を抑え込んでしまったらしく、カビはすっかり消えてしまった。
折から花は極端に少ないから、甘い花蜜にはほとんどありつけないのだろう。
どうやって気づくのか知らないけれど、目ざとく見つけたつがいがしょっちゅうやってきて突っついて帰るようになったのである。
2階のパソコンを置いてある部屋のガラス扉1枚を隔てたところに干し柿を指した植木鉢を置いたので、パソコンをいじっていたりすると、かぶりつき状態のように食事風景が良く見えるのである。
2、3度突っついては頭を上げて辺りをきょろきょろ見渡し、また突っつくという繰り返しは非常にせわしないが、それがシジュウカラの食事スタイルなのだろう。
もう少しゆっくり落ち着いて食べたらいいのに、なんて思うのは余計なことなのだ。
シジュウカラのことを「始終空」と言い換えて「あれは貧乏神の回し者である」なんて言説を唱える亡者もいるようだが、わが家だって貧乏なのである。
アベなんちゃらのせいで、今後唯一の頼みの年金だって削減されてしまうのである。
でも、貧乏は別に恥じることでもないし、金はあればあるだけ良いに決まっているが、十分に無くたって心まで貧しくなるなんてことは決してない。
干し柿のおすそ分けを喜んでついばんでいるシジュウカラを目の当たりにして心をほっこりさせられるのなら、それで十分なのである。
つがいでやってきて干し柿を突っつくシジュウカラ夫婦
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