いつも午前4時に起きているのだが、普段なら13、4度ある室内温度も今朝に限っては9度しかない。
冷たい水で歯を磨き、顔を洗ってベランダに出てみると、まだ中空にかかっている94%の月は青白く冴えわたり、空気は微動だにせずキーンと冷え切っていて、緊張感に満ち溢れている。
床に置いた板の上を歩くと、普段は聞くことのないギシギシという悲鳴が聞こえてきて、おそらく板そのものが含んでいる水分が凍ってしまっているに違いない。
今朝はこれから円覚寺の日曜坐禅会に行くつもりである。
暖房のない部屋で8時から10時までの2時間、横田南嶺管長の提唱を聞き、坐禅を組んでくるのである。
裸足が決まりの上に、着ぶくれないことを求められるから、ある種の覚悟は必要である。
玄関から入って廊下を進んでいくだけで、足の裏に伝わってくる板敷の冷たさは、それこそ氷のそれである。さすがに外気と隔てる障子やガラス戸は閉めきっているが、風を防ぐだけで冷気は容赦なく身体にまとわりついてくる。
最初の内は下腹にグッと力を込めて気合を入れなければ歯がガチガチ鳴るくらいに震えが来てしまう。
年を重ねるにしたがってトイレが近くなっていることも紛れもない事実で、提唱を聞いたり坐禅を組んでいる最中に中断してトイレに立つようなこともはばかられ、下腹にカイロを張って出かけるのである。
これはちょっとズルかもしれないけれど、仕方ないのだ。
寒いわけである。論より証拠。
午前4時から1時間、外気にさらしておいたデジタル式温度計は何とマイナス2・0度! を示している。
昨日の茅ケ崎での句会も寒かったが、日の出前の温度はプラスの2・2度だったから、今朝は4度以上も低いのである。正真正銘の寒さである。
比較的温暖だといわれる海沿いの街で、一冬に幾度もないマイナス気温である。ありがたくないなぁ。自慢じゃないけれど、耐寒性がないんだから…。はぁ~るヨ来い、はぁ~やく来い!
日の出前から晩飯のことを考えるのも妙なものだが、こういう寒い日の夜は鍋がいいなぁ。
カキ? 鶏肉の団子? 妻にリクエストしておこうっと。
昨日の句会は茅ケ崎で行い、吟行は開高健記念館と氷室椿庭園。開高とは肌合いが合わないし、どんよりと凍えた空のもと、つぼみは固く、時期外れのツバキ園で満開のところを想像するほど好きな花でもないし、寒さだけが印象に残ったのみである。
ま、こんなこともたまにはあるサ。
兼題は「雑煮」で、わが提出句。
お雑煮のお餅いくつと初質問
浜広く磯の香強き雑煮かな
年の瀬や湯船かすめる外航船
初雪やトマトの上で困り顔
寒九過ぎどんより凍えし椿園
紅梅がわずかに咲いているのみで、ひっそり凍えるツバキ園
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