なぬっ もう秋だと !?
自転車でパトロールしての帰り道、近所の神社前を通りかかったとき、急階段の脇の草むらの高い所に薄紫色の花が咲いているのが眼の端に映った。
んっ! なんだ?
自転車を降りて近づいてみると透き通るような薄紫色の小さな花が環状に何段も咲いている。
アキノタムラソウじゃないか。
この植物の仲間にはナツノタムラソウとハルノタムラソウがあるそうだが、見かけたのはアキノ…に間違いないだろう。
濃い緑の塊の中にポツンと明るく輝く涼し気な色合いは遠くからでもよく目立つし、細くスゥ~ッと伸びた茎が風に揺れて風情すら感じられる。
とは言え、まだ真夏の真っ最中。
立秋にもまだ至ってもいない内からしゃしゃり出て来るとは、何と図々しい「秋」であることよ。
まだキミの出る幕じゃないだろうに、大人しく家に帰っていたまえっ!と一喝してやりたい。
おまけに昨日は俳句の同人から来月の句会の「お題」が届き、それがまた「秋めく」だというのだから、もう何をかいわんやだった。
まぁ、俳句の世界は独特で季節を先読みしたりして、その気配をかぎ取って自然を詠んだりするのも醍醐味の一つには違いないが、夏大好きのボクには"夏を追いやろうとする陰謀"に思えなくもない。
誠に不埒な考えと言うほかなく、秋めっ、もう少しおとなしくして引っ込んでいろっ!と声を大にする。
そもそもまだ7月じゃないか。
炎天下を渡ってきた風に揺れるアキノタムラソウ=近所の神社の境内