何と、世の中のままならないことか…
良く晴れ上がって暖かくなった13日は「初音を求めて野山を歩く」「久しぶりに海辺の自転車道をパトロールしてくる」の二択を考えたが、生憎7~8mもの南寄りの強い風が吹いたため、自転車はあきらめ、初音に聞き耳を立てたのだったが、うんともすんとも鳴いてくれなかった。
明けて14日は気温は前の日よりもっと高くなり、14:00には18.0℃にまで届く。
更に好都合だったのは前日と同じ南寄りの風が吹いていたが、風速は1~2mのそよ風♪
ということで「まず初音」…と後ろ髪は引かれたが、先月29日以来16日ぶりのパトロールに出かけたのだった。
冬場は長ズボンで漕いでも、春になれば短パンにひざ下までのハイソックスで太ももは風にさらして漕ぐのが定番だが、そこまでの踏ん切りはつかず、しかし、長ズボンは止めて短パンを履き、防寒用のタイツを履いて「いざ漕がん♪」と心を弾ませて出発する。
そこまでは良かったのだ…
頭の片隅にその危惧は確かにあった。
海辺に南寄りの強風が吹く⇒砂浜の砂が吹き飛ばされる⇒自転車道が砂に埋まる⇒自転車は走れない
海辺の自転車道の強敵は何といっても堆砂。
砂を運ぶのは台風や低気圧の通過に伴う強風で、特に春先に日本海を発達しながら通過する低気圧があると、南寄りの強風が吹き荒れ、堆砂は山を築くほどになる。
こうなると、管理している行政もおいそれとは処理できなくなり、自転車道が長い期間砂の下に埋まり続けることにつながる。
こういう現象は概ね3月に入ると起こるのだが、この時期からそうなるとは、やはり暖冬のもたらす影響の一つなのだろう。
おまけに今日は今日で「春一番が吹くかもしれない」という予報が出ているくらいだから、8m以上の風が吹き荒れることになる。
堆砂は"山脈"にまで成長することだろう。
気温が上がれば雪は解ける。解けずにそのまま居座るのが堆砂の特徴である。
昨日はとにかく堆砂の場所は自転車を降りて押し、押しては漕ぐという尺取虫のような状態で、ともかく3km程度は進んでみた。
しかし、状態は変わらず、これでは「漕ぎに来た」というより「押しに来た」ようなもので、降参するしかない。
「一昨日までは砂の山はどこにもなかったんですけどねぇ。たった1日、ちょっと強い風が吹いただけでこの有り様ですから」
堆砂の上をえっちらおっちら自転車を押している時、前かがみになって歩きにくそうにしながらもボクを追い越していったウオーキング男性に、そう声を掛けられた。
これもまた「春の憂鬱」の一つである。
空の高い所は冬のような澄んだ空気に覆われ、富士の頂もクリアに見えるが、地表付近は霞が漂っているようにぼんやりしている
この日は波がいいアクセントになって、ナイスな景観を生み出していた
人の背丈をはるかに超える堆砂の山ができ、自転車道はこんなに狭くなっている
左手に大海原が広がっているが、完全に視界を奪われている
もう少し先に行くと50mおきくらいに堆砂の山ができ、漕いで押して、漕いで押してを繰り返すしかなかく、前進は断念した
今日、春一番が吹けば自転車道は完全に埋まり、状態はもっとひどいものになるだろう