やっと気温が平年並みになって来たかなと思ったら、途端にバラの天敵・バラゾウムシが姿を現して、芽吹き始めたばかりの花茎に狼藉を始めた。
頭の先にゾウのような長い鼻を持った虫で、この長鼻のような、くちばしのような「口吻」を新芽やツボミの茎に突き刺し、植物の血液とも言うべき樹液を吸い上げるので、こいつに刺された茎の上方部分は樹液が回らなくなるものだから、ちりちりになって枯れてしまい、見るも無残な姿をさらすことになる。
どちらが本名か知らないが、クロケシツブチョッキリという人を小馬鹿にしたような別名も持っていて、せっかく膨らんできたツボミがある日突然、クタッと首をうなだれたりしているのを見せつけられると心底がっかりする。
しかも、見つけて捕まえようとすると、ポロっと地面に落下して逃げたり、その場でコテッと動かなくなって"死んだふり"までするのである。
だからチョッキリ野郎を見つけると、葉っぱの下に手のひらを広げて待ち構えるのだが、首尾よく手のひらに乗ったとしても、油断は出来ない。
観察するつもりで、もたもたしていたりするとすぐに"死んだふり"を止め、こんどは手のひらからぽろっと逃げ出して地面へと逃げる。
地面に落ちてしまえば姿はすぐに周囲に紛れ、どこにいるのかさえ分からなくなってしまう。
すると翌日の朝など、仕返しをされたようにバラの被害が目立ったりして、誠に憎たらしいことこの上ない。
つい先日の、久しぶりに良く晴れ上がった日に地植えのバラを点検していると、真新しい葉っぱの上に小さな黒いケシツブのようなものを見かけ、もしやっ!と手を伸ばすと、葉の上からポロっとこぼれて地面に落ち、姿をくらまされた。
まるで葉っぱの上で日向ぼっこでもしているかのようなシチュエーションで、樹液をたらふく吸った後で陽の光を浴びてまったりしている所だったのではないかと思うと腹が立つ。
その後、似たような状況で2匹を首尾よく手のひらで受け、直ぐにひねりつぶしてやったが、逃げた1匹は生き延びたに違いない。
猫の額の庭だが、合わせて3匹しかいなかったという訳はないだろうしと思い、新芽部分にだけ殺虫剤の類を噴霧したら、見逃していた毛虫や何かの幼虫がのたうち回って落下して行くのを目撃して、バラの人気者ぶりを改めて認識させられたものだった。
これからしばらくは、バラを食い物にする憎たらしい連中との格闘の日々が続く。
多くはこのつぼみのように、スクスク成長しているのだが…
「空蝉」は今年も旺盛に枝葉を伸ばしている♪
株全体で少なくとも18本の花茎が伸び、ひとつの茎に3~5つくらいのツボミがついている
わが手のひらの上で"死んだふり"をしているクロケシツブチョッキリ
"死んだふり"を止め、逃げ出そうと動き出した
早起きの空蝉の中でもつぼみがほころんだものはこれが唯一で、今朝はここまで開いていた♪
こちらは双子のアネモネの今朝の様子