気象予報士たちは昨日の天気について、こう明るく見通しを述べたものである。
それも海沿いの神奈川県では特に顕著で、時系列予報では午前10時ころから午後6時ころまで晴れマークが並ぶという念の入れようだったから、ボクとしてもちょっと期待する気になったのである。
まぁ70年近くも生きてくると、過度な期待は期待が外れた場合の落胆が大きいのでそこそこにしておかなければならないのだということを自然と身に付けるものである。
今回もそういう知恵が働いたから大きな落胆はなかったが、青空どころか雲間から辛うじて薄日が漏れ、それも極短時間だけ自分の影と連れ添って歩くことが出来たことをもって「こんなものさ」と受け止めることが出来たのは、そうした苦い積み重ねの賜なのだ。
経験値のなせる業なのである。
それにしても真っ青な空に真っ白な入道雲が沸き立つような好天が恋しい。
スマホの写真記録を見る限りでは、8月に入って青空が大きくきれいに広がったのは8日と9日だけのようだ。
それほど遠いの話でもないのに、まるで忘却の彼方を覗くような気分である。
雨続きで庭に出られなかったせいもあるが、何本かのバラに病害虫被害が出てしまった。
最小限の防虫剤は散布しているが、それも春先だけで量も微量である。それで乗り切ってきたし、基本は「可能な限り少農薬」なのである。
従って夏の暑さを乗り切れば、秋の長雨の前に黒点病やうどんこ病予防の薬剤を散布しておこうとは思っていた。
しかるに盛夏のはずの8月に秋雨のような長雨に降りこめられてしまっているのである。
雨中に薬を散布しても何の効能もない。ただただ薬品が流れて行ってしまうだけである。
だから黒点病やうどんこ病は勢いを増して病状が進み、葉が落ちてしまう。葉が落ちてしまえば光合成ができないから成長に重大な障害が生じる。そうなれば来春の花の咲き具合に影響してくるだろう。
負の三段論法の完成である。なんのこっちゃというところだ。
あまつさえチュウレンジハバチの幼虫が発生して一部の株では葉を食いつくされ丸裸にされてしまった。
長いこと庭に出ていなかったので、気が付く暇がなかったのだ。
これじゃぁ食い放題やりたい放題である。
妻が昨日バラの枝で黒字に白い斑点をちりばめた大きなゴマダラカミキリの成虫を見かけたと言っていた。
バラの茎に卵でも産み付けられたら一大事である。幼虫に茎の中をかじられたら枯れてしまう。探しに行ったが見つからなかった。
もともと不精な園芸愛好家なんである。それでも晴れてさえいれば短時間でもバラの状態は観察するものだが、雨中に傘をさしてまでやらないから被害は食い止めるどころか拡大してしまうのだ。
おのれ! である。気分の悪いことおびただしい。
かくして気分は最低、しかも傷心なのだが、気を取り直して30%オフの鉄道切符を買いに駅のみどりの窓口まで出かけてきた。
ひと月前から販売される新幹線の指定席券を買いに行ったのだ。3泊4日の旅に出るのだ。
運賃も特急券もどちらも3割引きで買える特典を得ているのである。
3割引きとなると割引された分で豪華な駅弁とアルコール数本をゲットできるんである。
列車に揺られながら飲む酒はおいしいのだ。最近「乗り鉄」とか「撮り鉄」とか鉄道ファンをジャンル分けしているようだが、ボクの場合は「乗り鉄」と「吞み鉄」のミックスである。
かくして嫌なことは忘れるようにして楽しいことに目を向け、重なるうっとおしさを払しょくしようとするのである。
健気なもんである。為政者には扱いやすい人種に映ることだろうね。
そういうことにしておきましょう。
虫に食われ病気で葉を落としかけているバラの株。切ないなぁ
雲間から漏れてきたはかない薄日だったけれど久しぶりにわが相棒の影法師と一緒に歩いた
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