一昨日の午後6時過ぎのこと、風呂から上がり、温まった身体のほてりを心地よく感じながら、今宵も晩酌の酒が美味しく飲めそうだと、台所の山の神に献立を聞こうとしたら、肝心の台所の電気が消えていた。
……?
すると、リビングの掘りごたつにいた山の神が「悪いけど夕食は冷蔵庫に残り物がたくさんあるから、それを食べて」と思ってもみなかったことを言う。
身体の節々が痛く、熱を測ったら37.5度あるという。
午前中に町内会館で開かれたストレッチ教室で身体を動かしている時から少し違和感を感じていたそうで、夕方になっても変らないので、ひょっとするとインフルエンザかコロナかもしれないとまでいう。
近所の病院の発熱外来も予約したし、今夜は別の部屋で自主隔離しますという。
去年6月に山の神はコロナに感染して10日間、自宅内での隔離療養を経験している。
亭主のボクはと言えば、体力をつけさせるため、栄養を考えつつ、三度三度の食事作りをして看病を続けたものだった。
何だか、しょっちゅう食事作りのことばかり考えていたような記憶があり、自分の腹を満たすだけなら何とでもなるが、きちんとした食事の用意というものは面倒くさいものだということを身にしみて感じたものだった。
だから今回、山の神の体調を気にしつつ、同時並行して食事作りのわずらわしさのことが脳裏をよぎったのも事実。
前回は感染を免れたが、インフルにせよコロナにせよ感染症には違いないので、看病に回るボクが感染しないことも肝心である。
面倒なことにならなければいいが…と思いつつ飲む晩酌は一人酒でもあり、はなはだ美味しくない。
後片付けなどもろもろ残っているとなると、そうそう飲んだくれるわけにもいかず、なんだか必要なところに油を注すだけのような、味気ないものだった。
そして夜が明け、体調を聞くと熱は下がって、前日のような節々の痛みも消えたという。
ヤレヤレだが、それでも予約した発熱外来まで車で送り、診断結果を聞くとインフルもコロナも陰性で、単なる風邪の引き始めだったのではないか…ということで一件落着となった。
外出の時は必ずマスクをして警戒を怠らないようにしてきたし、冬のこの時期、インフルの流行はもちろん、コロナも安心できないということは理解していたつもりである。
それでも忍び寄る影がチラッと見えたことは、おめおめ油断するなという天からの警告でもあるのだろう。
今回は良かったが、心しなければと思う。
近所の寺の竹林