温泉好きにとって現下の社会情勢が悩ましいのは、他の日常生活で不便や不自由を強いられることが多いのと何ら変わらない。
特にマスクをしたまま温泉に浸るというのが、どうにも想像がつかないし、そんな入浴法があるとも思えない。
わが家から車で1時間も走れば箱根や湯河原の温泉郷が湯気を上げて待ち構えてくれているし、そのちょっと先には熱海をはじめ伊豆半島は温泉の宝庫でもある。
近場では稲村ケ崎の付け根に濃い琥珀色をした滑らかなお湯が沸く「美肌の湯」があって、江ノ島や富士山を眺めながら極楽気分を味わえるし、東京湾岸に回れば横浜港や東京港などに出入りする船の行き来を、時には横須賀基地に出入りするメリケンの巨大空母を眺めながら浸れる温泉施設がある。
そういう楽しみを奪われて幾星霜…
幾星霜はオーバーとしても、少なくとも1年はコロ公のせいで温泉から遠ざけられているのだから何をかいわんやである。
せめて気分だけでもと、家の風呂に市販の温泉の元を放り込んで人工の色と香りで気分を盛り上げるしかないのが切ない。
おまけに隣家が迫っているので浴室の窓を開け放つわけにもいかず、締め切った狭い場所ではラジオでも聞きながら空想を膨らませるしかない。
前置きが長くなったが、ここからが本題。
浴室に置いている防水ラジオがうんともすんとも言わなくなってしまい、ネットで検索して1408円ナリの商品を見つけ、注文した。
音さえ出りゃいいのであって、この際、音質などは問題外である。
安ければ安いほど結構! そういう気分で注文したら待てど暮らせど手元に届かない。
2週間が過ぎて忘れかけているところに届いた紙包みに貼られたラベルの文字に「China Post」とあって時間がかかったわけが理解できた。
同時に一抹の不安が…
しかし、音さえちゃんと出てくれれば原産国を問うものではない。
これでただぽつねんと湯に浸る手持無沙汰状態は解消されるわい、と喜んだのもつかの間、30分足らずで再びうんともすんとも言わない浴室に戻ってしまった。
叩こうがひっくり返そうが、何の反応もない。
多分、防水機能が不完全だったとしか思えない。
画像無し、音のみで30分1408円という値段設定は如何なものか。
それまで使っていた2000円超の国産品は3~4年の間、音を出し続けたぞ。
おまけに腹の立つことがもう一つ。
「AMFMラジオ」だと書いてあった文言を疑うことも無かった自分が無知で底抜けの善人=馬鹿だったのだと思うしかない目にも遭わされた。
いくら選局つまみを注意深く回してもFM局の音が拾えないのだ。
おかしいと思って同封の粗末なざら紙のようなものに書かれた説明書?を見てびっくり!
FMの周波数帯が「88MHz~」となっているではないか。
諸外国とは異なり日本に割り当てられているのは76.1~89.9MHzなのだから、音を拾えないのも当たり前。
フーテンの寅さんが扱っているものにだって随分と怪し気なものがありそうだが、こんな人を騙すようなものは扱わないよ。
おいっ ベゾス! こんな商品をラインナップに並べちゃぁいけねぇ~よ。こんなことしちゃおしめぇ~よ ‼
ったく、どいつもこいつも、情けねぇ~ったらありゃしねぇ。
藤沢・片瀬の常立寺のしだれウメ
降伏して属国入りを求める蒙古の使者4人は時の鎌倉幕府8代執権・北条時宗によって首をはねられた後、この寺の葬られた