横浜駅東口での野暮用を終わらせ、さてどうしようと思いを巡らすうちに、そうか、直ぐ近くから水上バスが出ていたっけな…久しぶりに乗ってみようかという気になる。
早速スマホで時刻表を検索するとちょうどいい具合に、10分後に出港する便があった。
これに乗って海風に吹かれながら横浜港を横断して山下公園まで行き、上陸したら中華街まで歩いて昼ごはんにしようという腹積もりである。
デパートの裏のデッキを渡って乗り場に行くと夏休みらしく家族連れが並んでいる。
ところが、チケット売り場に入るとでかでかと張り紙がしてあり「山下公園にはいきません」と大書してある。
「?」と思ったら、山下公園の桟橋が改修中で使えず、手前の赤レンガ倉庫までしか行かないという。
赤レンガ倉庫から中華街までは歩くと2km近くある。
赤レンガ倉庫の脇を通り山下公園を突っ切って歩いていくのも観光客になった気分で、それもまた悪くないなと思う。
今やお上りさんのジジイである。若くてかわいい子を見かけたら地理不案内を装ってわざと道を尋ねたりしてみようか…何だったら一緒に行ってもらうか…などと妄想を膨らませる。
そして時刻表通りにシーバスが着眼して乗り込む。
冒頭書いたように海風に吹かれるためには後部デッキに行かなければならないが、生憎後部デッキはさほど広くない。
しかも、ざっと見ると座席の数も少ない。
乗船が始まるとボクの前に並んでいた幾つかの家族連れのほとんどが後部デッキに行くではないか。
列の後ろにも子供連れがたくさんいるし、彼らもまた同じようにしたいんだろうと思うと「しょうがないな、ここは譲るとするか」という気になり、冷房の効いたガラス張りの船室へのドアを開ける。
ガラスには色がついているし、波音も聞こえない。
夏はトロッコ列車みたいな屋根以外は開けっぱなしのフネも運行しろよと言いたい。
しかし、久しぶりに海の上から眺める横浜の街並みは美しく、乗って正解だった。
赤レンガ倉庫まで800円はタクシーに乗ったと思えばほぼ同額か、むしろ安いくらい。
しかもこうして良い子の夏休みの絵日記が書けているんだから一石数鳥と言えるだろう♪
デパートと隣のビルの間の空中渡り廊下からはベイブリッジが良く見えたのだが、今は音楽アリーナとホテルが建設されていて視界を奪われてしまった
さて出発
橋をくぐり、いよいよ港に出てゆく
港内に出るとみなとみらい21地区のビル群が迫って来る
半月上のビルはインターコンチネンタルホテル のっぽのビルは大阪のあべのハルカスに抜かれるまで日本一だった296mのランドマークタワー
インターコンチの右隣は国立国際会議場
ハンマーヘッドクレーン 1914年に日本で最初の港湾荷役専用クレーンとして新港ふ頭に建設された
赤レンガ倉庫に向けて離岸 消防艇「ひりゅう」と巡視船「いず」(どちらも2代目のはず)の脇を通過する
端正で美しいヨコハマベイブリッジを左に見ながら赤レンガ倉庫の桟橋へと向かう
「飛鳥2」が大桟橋に接岸していた 右は巡視船「さがみ」
「さがみ」(3100㌧)は「おおすみ」という船名で鹿児島に配属されていたが、尖閣防衛のための新造船に置き換えられ、今年2月に名前を「さがみ」に改めるとともに横浜に配置転換となった、とネットに書いてあった
巡視船「さがみ」(右)と同「ぶこう」(1500㌧)(中央)、奥に見えるのが「いず」(3500㌧)
赤レンガ倉庫に接近
これがシーバスと呼ばれる水上バス
赤レンガ倉庫は改修中で2館とも休館中だった