平方録

野毛の赤ちょうちんへ

高校時代のIとKとで忘年会。
野毛で鍋でも突っこうぜ、と心当たりの店に行ったが、安さで売る店はどこも予約でいっぱい。
行き当たりばったりは駄目なのだ。結局、樹木希林の兄貴がやっている居酒屋へ。随分大きな店で、しかも改装したばかりとか。古き良き野毛の面影や味わいはないが、致し方なし。
午後5時をちょっと回ったばかりの店内には客が2組だけでガラーンとしている。

意気はあまり上がらないが、ふぐちりとふぐ刺しを注文。
と言っても専門店ではないから、大きな期待はできない。
それでもフグはフグである。しかも今シーズン初めて。
最後のおじやを含めて、やはりそれなりに美味しいもんである。
7時過ぎ、店を出るころになって店は込みあってきた。

ふぐちりが2人前とふぐ刺しは1人前しか頼まなかった。ささやかなもんである。
ひれ酒が2杯づつ。
以上で1人4600円なり。
いつもは1軒2000円~3000円なので、奮発したのである。
労働市場から撤退した身で贅沢はできない。関係ないか。

ちょっと前まで、と言っても20世紀の終わりころまでだが、野毛と言えばフグにおでんに焼き鳥の美味しくて安い店が軒を並べていて、夜な夜な賑わっていたものだが、今は昔、か。
忘年会シーズンだというのに人通りは少なかったなぁ。
盛者必衰は世の習い。ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず…

Kの自宅の建て替えが正式決定したそうだ。この年齢にして大枚の借金を抱えることになる。
事態の思わぬ進展に少し浮かない表情を見せるものの、一緒に暮らしてくれる人もできて嬉しそうではあった。
なんとかなるさ。
1月に着工だとか。

2軒目は“これぞ野毛”。焼き鳥2本とコップ酒1敗で700円ナリ。
Kの知り合いだが「あいつ計算できね~んじゃないのって評判なんだ」。
鎌倉・大町はぼたもち寺の近くの住人だという。
焼き鳥美味しかったなあ。

3軒目はラグビー部の同級生がやっているロックとホットドッグの店へ。珍しくライブをやっていた。

みんなちょっと更けはしたものの、変わらない。コツコツ生きてきたんである。
勤勉で善良な日本人なんである。こういう人間を怒らせたら怖いぜ。



景気良くないんだねぇ、師走の野毛は落ち着いちゃっている…
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