「生誕百年朝倉摂展」が開かれている葉山の県立近代美術館に出かける。
葉山の御用邸のすぐ近くの海辺に建つ美術館で、地方美術館の先駆けとして知られた鎌倉の鶴岡八幡宮境内にあった「近美」が2016年に閉館してしまった後はここ葉山と鎌倉の別館が肩代わりを務めている。
わが家から30分ほど海沿いの国道134号を走ればいいし、海を見ながらの運転はドライブコースとしても魅力がある。
午後出かけたのだが、昼過ぎから青空が広がって気持ちの良いドライブ日和にもなった。
驚いたのは鎌倉市内の混雑。
江ノ電の長谷駅から観光客に人気の長谷寺、大仏までの歩道は両側とも観光客であふれかえり、所々では車道にまではみ出して歩いている。
車は上下方向ともぎっしり詰まってノロノロしか走れない。
確かにアジサイの季節もまた鎌倉は人を集めるが、昨日は平日である。
まるでハイシーズンの土日のような人出はここ2年半の間、見ていなかったので心底驚いた。
人々の行動が元に戻り始めているようだ。
しばらく鎌倉市内のどこに行くにも交通渋滞の心配はなかったが、これからは注意深く用心しないと大渋滞に巻き込まれてニッチもサッチもいかないような羽目に陥りかねない。
まぁ、冷静に考えれば元の日常に戻れるというのは喜ぶべきことなんだろうけど…
三が岡という大きな丘陵を背景に美術館は建っている
エントランス
館内は撮影禁止
「更紗の部屋」1942年 顔料 紙 (作品の写真は近美ホームページから拝借)
「歓び」1943年 顔料 紙
「裸婦C」1950年 顔料 紙
「働く人」1952年 顔料 紙
唐十郎や蜷川幸雄の演劇の舞台美術も数多く手がけた これは「ハムレット」の舞台(蜷川演出)の写真 1978年
大佛次郎の童話「スイッチョねこ」の挿絵原画 1971年 アクリル絵の具 イラストボード
大佛次郎が童話を書いていたなんて全く知らなかった 「生涯最高傑作の一つ」と自慢していたそうだから、ぜひ読んでみたい 多分、横浜の大佛次郎記念館にあるはず
美術館中庭
美術館のすぐ裏は波打ち際になっている
ここら一帯は以前シーカヤックを漕いで遊んでいた思い出の海である
御用邸の前の海をシーカヤックを漕いだボクが差し掛かると、静養に来られていた美智子皇后が浜辺をご散策になられていてカヤックに気付き、手を振ってくださったのでボクも手を振ってお応えした(ウソぴょーん)
でも、それくらい町の人々との距離は近かったことで知られている
御用邸からほど近い場所に「子安の里」という現役の炭焼き小屋のある鄙びた山里のような場所があって、美智子皇后はそこが痛くお気に入りだったと聞いている
残念ながら10年くらい前に台風の被害に見舞われ、至る所で竹藪や木々がなぎ倒されたり、一部では地形が変わるほどで、かつての面影はだいぶ消え失せてしまった