ベランダとの仕切りになっている折り戸を全開にして歯を磨いているとヒグラシが鳴き始めた。
夜明けの大合唱、セミ時雨だ。
雨は止んでいるとはいえ、ベランダは水浸しで直前まで強い雨が降っていたことをうかがわせている。
雨降りの朝に鳴くのを聞いたことがないので、珍しいことがあるものだと思っていたら、急に雨が降り出し、それも激しく雨音を響かせる降り方なのでヒグラシの鳴き声はあっという間にかき消されてしまった。
それでセミ時雨は止んでしまうのかと思っていたら、さに非ず。雨音の強弱の合間を縫って、寄せては返す波のようなリズムで大きくなったり小さくなったりしながらいつもと変わらぬ調子で聞こえてくる。
漢字で書けば「時雨」なのだが、まるで本物の雨音に対抗するかのように…
この雨との〝競演〟は30分経っても続いていた。
珍しいと言えば、陽が傾き始める午後4時ころにもヒグラシは一斉に鳴き出すのだが、昨日の夕方は暗くなる寸前の午後7時ころにも大合唱が起きていた。
雨降りの朝のセミ時雨同様、これまでほとんど耳にしたことのない珍しい鳴き方といっていい。
何か起きているのだろうか。それともこれから何事かが起ころうとしているのだろうか…
地球上で起きている大小さまざまな変化や人類の生存を脅かしかねない出来事を目の当たりにすれば、ヒグラシのセミ時雨の問題など取るに足らないことなのだろうとは思うけれど、それがいつもと違って「オヤッ ? 」と感じられたことは事実なのだ。
きっと、雨中のセミ時雨も闇が忍び寄る寸前のセミ時雨もヒグラシの世界の事情なのだろう。
ヒグラシの勝手—ってやつだな。
それにしても梅雨明けはいったいいつになるんだ。
ギラギラの太陽、湧き上がる真っ白な入道雲が恋しい。
地上に真夏の太陽がたっぷりと降り注がなかったら作物は実らないよ。
果物だって甘くならないんだぜ。
それでなくたって、既に行動の自由は制約され、窮屈な思いをさせられてきている。
せめて梅雨くらい、ぐずぐずしないで引っ込んでもらいたいものだ。
湘南・鵠沼海岸の湘南海岸サイクリングコースの始発地点付近のコースわきに青紫色の花の小群落があちこちにあるのを見かけた
これまでも眼には入っていたのだろうが、自転車を止めてしげしげと眺めたのは初めてで、この花を花として認識するのも初めての事だった
家に帰ってネット検索してみるとすぐに「蔓荊」という仰々しい漢字がふり当てられた砂浜を好む植物で「ハマゴウ」という名前だと分かった
葉を燃やして香煙を仏にささげた「浜香」が語源になっていると記されている
漢方では神経痛に効果のある入浴剤、あるいは頭痛、解熱として利用されたとか
灰色の浜砂、灰色の空の下で、この花が咲いている辺りはひときわ明るく目に飛び込んできて思わず自転車を止めた ♪
23日は海の日、昨日はスポーツの日 湘南・片瀬西浜にはあいにくの空模様にもかかわらず、そこそこの人が水遊びを楽しんでいた
水族館(後方の建物)も賑わっていた
ギラギラの太陽が輝いてこその海辺だよなぁ