ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月の第3木曜日と決まっているから今年は来週の16日のはずである。
届いたワインはボージョレ地区のブドウと同じガメイ種のブドウを使って作られるワインだから同じ解禁日が設定されているんじゃないかと思うのだが、詳しいことは分からない。
仮に同じだとしても、日本の法律の網がかぶされたところで彼の地の法律まで順守する義務も無かろう、手元に届いてしまえばこっちのもんだというごく自然? な考えの下、当たり前のごとく栓を開けたんである。
大きな悪事はとてもじゃないが度胸がなくてできないけれど、ちょい悪くらいなら首をすくめながら出来るほどの図々しさは年を経るにしたがって身についてきているんである。
で、今年の出来や如何に。
ガメイ種特有のタンニンの少ない、どちらかと言えばフルーティーで軽めなワインだが、ヌーヴォー特有の若すぎる軽さではなくて、もう少ししっかりとしたのど越しの味わえるワインに仕上がっている。
いつもの味と言ってよい。その安定した味を毎年変わらずに届けてくるところが感心なのだ。
ボクが注文しているのは現役時代に友人に連れられて通った東京高輪台の隠れ家的フレンチレストランのオーナソムリエに「ボージョレ―じゃジュースみたいでしょ。こんなものがありますよ」と紹介された「ガメイ・ヌーヴォー・ヴァン・ド・ペイ・デ・コート・デュ・ターン 20XX」である。
さすがはプロの見立ては違うと感心し、以来10年このかた毎年注文しているのだ。
高級ワインの味を含めてその違いを理解できるほどにはフランスやイタリアに浸ったわけでもないし、日本にいてわが舌を教育するだけの学習投資が出来たわけでもないので、ワインの味の違いを峻別できるわけではないが、ジュースかそうでないかくらいはボクにだって分かるんである。
それにしても一時のあの「騒動」は何だったんだろう。
午前零時の解禁時間を待って栓を開けるイベントが繰り広げられたり、フレンチレストランは言わずもがな、バーやスナック辺りでもどんちゃん騒ぎが繰り広げられ、駅前には帰宅する真面目なサラリーマンを狙った臨時の売店が出来て、ワインの瓶をずらりと並べていたなぁ。
義理だ、本命だなどとチョコレートが乱れ飛んだ2月14日の影もすっかり薄れてしまった。
古くはクリスマスイブ狂奏曲なんてのもあったぞ。
ハローウインはいつまで持ちこたえるんだろうか。
ん? まだ始まったばかりじゃないかって? きっと同じ道をたどるのさ。
色合いにもヌーヴォーらしくない深みがあるのだ
こちらがわが愛飲のガメイ・ヌーヴォー
フランス産かどうかは知らないけれどバラの花を添えましょう
横浜イングリッシュガーデンの秋バラの見ごろは今月いっぱい
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事