思い起こせば、あれから丸3年の月日が流れていた…
…2020年2月の第4日曜日。
厳寒の中で続いてきた円覚寺の日曜説教と坐禅会がようやく終わり、来週からはいよいよ3月の暖かな空気の中での開催になる♪ と心弾む思いで寺を後にしたのだった。
ところが、それから幾日も経たないうちに、ホームページに「開催中止」のお知らせが掲載され、一時は総門さえ閉じられるという前代未聞の状態が生じる。
じわじわと忍び寄っていた「新型コロナ」という耳慣れない感染症の流行が日本でも無視できなくなったとして、日本国中が息をひそめ、大勢が一か所に集まるなんてもってのほか…ということになってしまった。
しばらく経った頃、ネット配信で横田南嶺管長による「説教」が復活したが、寺で直接聞くことは相成らず、坐禅会に至っては2年以上、開催できずに来た。
去年からようやく人数を制限して再開したものの、それも抽選に外れれば参加はかなわず、運しだいの坐禅会と言うのも妙なもので、お釈迦さまもさぞやビックリされたに違いない。
そして昨日の日曜日、マスク着用の条件は付いたものの、それ以外は3年前と何ら変わることのない、まったく何の制限もない、誰でも参加できる元通りの形式が復活したのだった♪
「結局、3年と言う月日がかかってしまいましたなぁ…」とは説教を始める前の横田管長の感想。
ただ、3年前は第1と第3日曜日にも横田管長が直々に禅の古い書物を解説してくれる「提唱」を聞ける場があり、終了後は坐禅が出来る催しがあったのだが、そちらの復活の見込みは立っていないそうなのが、とても残念。
そして一番に感じたことは、今回の開催がホームページで知らされていなかったせいか、集まり具合が今一つだったこと。
3年前までは大方丈の畳の上はもちろん、周りを取り囲む廊下にまでぎっしりと人で埋まったが、今回はその時と比べると半分以下だったろう。
そして、3年前は大方丈全体が熱気にあふれかえっていたように思うのだが、そういう熱気が微塵も感じられなかったのは、元に戻ったばかりだからだろうか…
これからさらに温かさが増してくるにつれ、参加者も増えていき、熱気も戻るかもしれない。
そうなって初めて、日本の社会がコロナを克服できた証…と言うことになるのだろう♪
開始10分前の大方丈の様子 畳の上には随分と空きスペースが目立つ
佛日庵の石垣にスミレが1輪咲いていた
妙香池のほとりのスズランスイセン
アセビはあちこちで咲いている
佛日庵のハクモクレンは中国の作家・魯迅から贈られた 青空だとよく映えるのだが…
建て替え中の居士林の敷地内に咲いているバイモ
アミガサユリの別名を持つだけに、花の内側には独特の模様が…
黄梅院門前に掲げられた横田管長揮毫の坂村真民の詩
黄梅院の庭に咲くミツマタの小さなランプには、ひとつ残らず明りが灯っている
黄梅院の蹲の上のツバキに敬意を表して以下はツバキの写真
法堂跡に開く大輪
一山越えてわが家に戻る途中の道すがらで見かけたツバキ
紅白いずれも楚々とした感じがなかなかいい
道路わきの小さな流れの中に咲く黄色の花 多分つわぶきの類だろう