真っ青に透き通った青空を背景にすっくと立って大きな花を咲かせているのはご存じヒマワリ。
歌人の前田夕暮はこのヒマワリを次のように詠んだ。
向日葵は金の油を身にあびて ゆらりと高し日のちひささよ
油照りを連想させる「金の油」という表現から感じる、身体にべったりと絡みつくような暑さ…
涼を運んでくれるはずの少しの風さえ、そよとも吹いてくれない。
「日がちひさい」と言うのは、天空の一番高いところにあるからで、1日の内の最も暑い時間帯であることを示唆している。
しかも、反比例するかのようにヒマワリの花の何と大きく迫って見えることか…
真夏の炎天下の情景をそのまま詠み込んだ歌で、この歌を見るたびに真冬であっても真夏の暑さを「体感」することができる優れた一首だと思う。。
そんなヒマワリが今、鎌倉野菜を栽培する畑の中で大きな花を咲かせている。
それも1本ではなく5~6本も。
咲いている花はと言えば夏の花と比べても、大きさも黄色の濃い色合いも含め、ほとんどそん色ないように見える。
強いて挙げれば花びらがピンと立たず、やや縮れ気味なところぐらいだろうか。
しかも、ヒョロヒョロと頼りなく伸びているのではなく、葉をたくさん繁らせ、どの株もツボミをたくさん持っているところなど、今が初冬であることなど完全に無視してしまっているかのようである。
まったく季節感も何もあったのものではなく、今夏を含めて異常な状態が続いているその象徴みたいな出来事のようにも思える。
とは言え、今週半ば過ぎから冬将軍貴下の分隊が南下し始めるそうで一気に冷えて来るそうだが、迎え撃つこのヒマワリ軍団の一小隊とも呼ぶべき連中の命運や如何に…ってところである。
平和主義者を自認している身としては、お互い刃を交えるのではなく、冬将軍はヒマワリ軍団の分隊の活動が終了するまで、その場で待機してもらいたいと切に願うね。
そもそもヒマワリ軍団の部隊は相手を傷つける武器も意思も持っていないのだから…
(そう言えば地球上のどこかの「ひまわり畑」が荒らされていたっけな)
さてどうなりますか。この結末はまた後日。
少なくとも花は3つ開いていて、他にもたくさんのつぼみが…♪
花びらがピンと張っていないで、ゴッホのヒマワリのように縮れている感じは否めないけど…