0—1で負けている方が「このまま静かに負けさしておくんなせぇ」とすっかり矛を収めて攻め込もうとせずに自陣でボールを回すだけ。
片やリードはしているが5-0くらいでけちょんけちょんにやっつけて予選リーグ敗退のうっ憤を晴らそうとしていた方も「それはなんねぇ。尋常に勝負しろ!」なんて態度も取らずに「好きにしなせぇ」とばかりにボールを取りにも来ない。
ま、予選リーグを突破して決勝リーグにまず行くことが先決という理屈は分かる。
次に勝てばベスト8だし、それにも勝てればベスト4、そして…
というのも気が早すぎる話だが、そういう夢だって見られるのだ。
来し方の日本はベスト16どまりなんだから、その先の景色も見て見たいとボクは必死に理性を働かせようと務めているところなのだ。
〝大人〟になんなくちゃいけないのだ。
だから1、2戦で活躍した主力を休ませるまでして4日後のベスト8を決める試合に備えて今から準備に入っていたのだ。
目先の勝利とメンツにこだわっている場合ではないのだ。この試合はそういう新しいステージに向けた準備の位置づけだったのだろう。
そういうことなら見せてもらおうじゃないの! というのが今のボクの心境なんである。
開幕直前の監督解任なんてドタバタがあってシラケ気味だったが、まぁいいだろう。
新しい景色を見せておくれよ。
そういう予兆も現に届いているんである。
27日午後9時35分、宇宙研究開発機構(JAXA)が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」が3年半もの間32億キロの宇宙空間を飛び続け、ようやく目的の小惑星「リュウグウ」の探査地点に無事到着したのだ。
これからリュウグウに着陸して土を採取し、地球に持ち帰ることになっている。
思い出してほしい。8年前の2010年6月13日午後11時ころ(日本時間)を。
あの時、先輩の惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から塵を採取して60億キロ7年にも及ぶ長駆を経てオーストラリアの砂漠地帯に無事着陸したのだった。
このはやぶさの奇跡的な帰還から一夜明けた6月14日に行われたW杯南アフリカ大会の初戦で日本は幸先よく1-0で難敵カメルーンに勝利し、2勝1敗で予選を突破するのである。
砂漠の真っ暗な空に一筋の光跡を従えて玉のように光り輝きながら戻ってきた「はやぶさ」こそ南ア大会の日本チームに届いた吉兆だったのである。
今回の「はやぶさ2」もまた、ボクは吉兆だと思っているのだ。
奇しくも「はやぶさ2」が打ち上げられたのは4年前になすすべなく3連敗ですごすごと引き上げたブラジル大会の5か月後のことである。
あの時の悔しさを胸にピッチに立っている選手が何人も残っている。
届いた「吉兆」を信じてまだ見たことのない景色をボクたちにも見せてほしい。
そうなれば今回の奇異な光景も語り草の一つとして完結することだろう。
祝 予選突破=2018.6.29 04:12
わが家のグリーンジェルはベスト4…
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