大宇宙の運行は地上の異常気象とは無関係に順調そのもののようで、4時に起きてもなかなか明るくならなくなっている。
昼間の時間と夜の時間が同じになる秋分の日が近づいているので無理もないが、それにしても狂いなく季節は進むものだと感心する。
いつものように起きぬけにベランダに出て辺りを眺めていると音を立てて強い雨が落ちて来たので、しばしそのまま濡れてみる。
蒸し暑い空気が一気に冷えていくようで、この季節の雨は直接身体に当たっても気持ちの良さの方が勝っている。
雨はすぐに止んだが、今日は一日中降ったり止んだりらしい。
関東に直接的な影響はなかったが、日本海を通過した大型台風11号の余波なのだろうか。
そんなこんなで写真の在庫も無くなりかけて来たので、久しぶりに北鎌倉の円覚寺に行ってみた。
総門を見上げ 階段を上がる
境内に入ると保母さんに引率された保育園児の一向に出会う
山門をくぐり
一直線上に並ぶ仏殿に向かう
久しぶりのご本尊・宝冠釈迦如来坐像に手を合わせる 天井に描かれているのは3本爪の龍
この日も降った夜明けの雨が乾かず、路面はまだ濡れていた
仏殿脇の竹藪に囲まれた蔵六庵の下を進み、宗務本所の前まで来ると思いがけない人物にバッタリ出会った
宗務本所の玄関を出て階段を下りてくる人が、じっとこちらを凝視している
直ぐに、あっ!横田南嶺管長だ!と気付く
挨拶をすべきかどうか、とっさなことに迷う
こちらはアウトドアで被るつばの付いた帽子をかぶり、サングラスは外していたもののマスクをしているから見えているのは目だけ
しかも黒く日焼けした足を出した短パン姿
どこの馬の骨だかわかるわけがない…
どこのだれだか分からない人物に挨拶されても管長の方が困るだろう…
万が一、立ち止まられでもしてニコニコされたら、何か一言二言挨拶めいたことを口にしなければなるまい
そもそもコロナが蔓延し出し、円覚寺でも2019年2月を最後に坐禅会が軒並み中止になって以来、ここでは坐禅をしたことも無い
再開した坐禅会もほとんど「オンライン」だし、あまり気乗りがしないまま日々が過ぎている
そんなわけだから横田管長がボクの顔に見覚えがあったとしても随分前の話だし、そもそも個人的に1対1で話をしたことも無いから、ここで馬の骨に挨拶されても困るだろうと思ったのだ
玄関の階段を降り切ってほんの少し立ち止まる雰囲気だったのでヤバいと思ったが、直ぐに踵を返して大方丈を抜けて修行道場の方に歩き去ったのでホッとする
中庭の方から見た大方丈
十数人が坐禅をしていた (企業の研修などでの坐禅は小人数なら受け入れているらしい)
日曜日の坐禅会はここで行われていたから懐かしいやら羨ましいやら…
一番奥に建つ黄梅院をのぞいて見る
門の下の掲示板には横田管長の筆で坂村真民の詩が掲げられているのは以前と変わらない
ハギが咲いている
シュウメイギクも
まだツユクサが
タデやミズヒキも
紫陽花の一種だと思うのだが…
ピンボケだがツボミがたくさん
ツボミがはじけて花がこぼれだしたものも…
国宝舎利殿
舎利殿の右手前の茅葺屋根が修行道場 横田管長は修行僧たちを指導する僧堂師家も務めている
こちらは在家のための修行道場・居士林
ボクも半世紀以上前、高校3年の1学期の期末試験を終えた翌日から10日間ほど泊まり込んで坐禅をさせてもらったのが縁の始まり
居士林の庭に咲く白いサルスベリを撮ろうとしたら白銀に光るジェット旅客機が真っ青な空を横切って行った
居士林の庭の石仏
まだ夏が優勢な空の下に広がる円覚寺の伽藍の一部=龍隠庵から
奥に2つ並んだ緑青を吹いた大屋根は左が仏殿、右が山門
仏殿の手前の茅葺屋根は選仏場、右の瓦屋根は松嶺院 左隅にチラッと見えている瓦屋根が居士林