そういえば昨夜の天気予報は「春一番が吹くかもしれない」と言っていた。
ベランダに出ようとすると小雨の混じった南寄りの風がブワッと吹き付けてくるので慌てて室内に引っ込む。
南風だから気温もそれなりに高く、これまでの身を切るような寒さとは明らかに違っている。
風に乗って普段は聞こえない波の音まで聞こえて来ているから海も相当荒れているようだ。
気象庁によれば「春一番」は立春から春分の間に、その年で初めて吹く南寄りの強い風――と定義されていて、日本海を進む低気圧に向かって南側の高気圧から10分間平均で風速8m以上の風が吹き込み、前日に比べて気温が上昇することが発生条件だそうだである。
立春当日の春一番……だとすれば、天気の神様の計らいもなかなか粋なことをするものだ。
調べてみたら、気象庁が春一番を観測し始めた1951年以降最も早かったのが1988年2月5日のことで、今回は「これ以上早く吹けない」立春当日という、いわば究極の速さとなる。
わが町のピンポイント予報では午前4時から5時にかけて風速9mの風が吹き、午後1時から3時の間には気温が20度に上昇すると予報されているから期待は膨らむ。
いいねぇ~♪
このまま春になってくれちゃってもいいのだが、まっ、欲の皮の突っ張ったことは言うまい。
大人しく寒暖の行きつ戻りつを楽しむことくらい日本人のたしなみとして受け入れようぞ。
もともと佐保姫様の足取りは気まぐれで、目的に向かって一直線というわけではないのだから。
それより午前9時を過ぎるころから風も弱まるらしいから、今日あたり、ひょっとして初音が聞けるんじゃないか?
初音を求めて野山をうろつくのも悪くはないのだが、生憎、午後3時から大腸の定期健診で内視鏡検査が待ち構えている。
朝も昼も絶食だし、下剤も飲まなくてはならない。
寄りによって……と思わざるを得ないが、致し方ない。ベランダで聞けないかなぁ。
<追記>金沢地方気象台が「北陸地方に春一番が吹いた」と発表したが、関東地方の風はそこまで強くなかったようで、音沙汰なし。ちょっとがっかりだが、ガラスの大きな戸を全開にした我が家の2階では正午の気温が24.9度にもなった!
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