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平方録

散々な夏

真夏の暑い盛りにタネ蒔きをしたパンジーが順調に発芽していることは前に書いた。

芽が出そろっただけでは安心できず、蒔種したピートバンで双葉の内に徐々に太陽光線をたっぷり浴びさせ、本葉を出させなければならない。

本葉が3~4枚出たところで、今度はポリポットに移し替え、そこそこに株が大きくしっかりするまで育苗させることになる。

この発芽から本葉を出させるまでの期間というのはとてもデリケートで、暑すぎては発芽しないし、発芽したとしても日を浴びられなければヒョロヒョロと背丈ばかりが伸びて徒長するばかりで、これまたはなはだ具合が良くない。

振り返ってわが家の現状を見るに発芽は大成功だったが、その後が曇りや雨の日が続き、やや徒長気味なのが気にかかる。

しかも、超大型の台風11号が沖縄方面から九州方面へと北上しそうだし、その後の進路予想も日本列島沿いに日本海を北上する可能性が高い。

列島に停滞する秋雨前線を11号が刺激しているため、数日前から南関東でも朝から雷が鳴ったり強雨になったり…日が射すどころではない。

今日の土曜日と明日の日曜日には太陽が顔を出す予報になっているが、夜が明けても全天を低い雲が覆っていて晴れ間がのぞく気配も無い。

気象庁は今夏を「異常気象」と認定したそうだが、とにかく芽が出た後にお日様が出てくれないことには話にならない。

 

一方で、東北も散々な夏らしい。

山形の友人から電話がかかってきて、今夏の天候不順をボヤくことボヤくこと…

友人は実家で畑を耕しているのだが、悪天候で畑の土が乾く暇がなく、それどころか耕運機を入れることも出来ないくらいグチャグチャなんだそうだ。

収穫した野菜をどっさり送ってくれて、我が家は山形に直営の農場を持っているかのように新鮮な野菜を口に出来ているのが申し訳なさ過ぎて苦しいくらいである。

昨夜の電話では畑で生っているカボチャが「そのまま腐って実全体にカビにびっしり覆われてしまったものがいくつもある」と大いに驚きつつ、悲しんでいた。

畑で生ったまま腐るなんて、どこかの政党そっくりじゃないかと笑えるが、「こんなこと初めてだ」と悲しみを漂わせながら語る口調に慰める言葉も無い。

カキの実もぼちぼち早いものは色づき始めるころだが、干し柿の産地では例年のように形のいい実が生らず、奇形が出て売り物に出来ないとぼやく農家の主の曇った顔が映し出されたのを見たが、友人宅のカキも同様で、奇形の出た実が随分生ったらしい。

「奇形の実は見つけ次第落としたが、取り損ねたものもあるだろうから後日送る。どんな具合か見てよ」といわれた。

原因は気温の乱高下だそうで、猛暑日になったかと思えばいきなり20℃を割ったりする日があったというからムベなるかなということらしい。

 

天気とは関係ないけど、ボクだって5月の連休後に在ろうことか椎間板ヘルニアなんて予想もしていなかった事態に見舞われ、一時は足が痛くて歩くととさえままならなかったし、結局すっかり回復する8月中旬まで「安静にしていてください」と言われ、家でじっとしていることを余儀なくされてしまった。

夏こそわが命…みたいな気持ちでいるだけに、肉体的な痛み以上に「痛い」夏を過ごさざるを得なかったという意味で、今夏は散々な夏だった。

 

散歩道の途中にあるお稲荷さんの斜面に群れて咲くツルボ

 

昨日は2か月ぶりの句会があって、わが句の一つが同じ票数ながら同着の1位である「天」を頂戴した。久しぶりの事で、悪いことばかりではないようである。

以下はわが提出句

(終戦記念日に)黙祷を重ねて「喜寿」の残暑かな (天)

夏7波ぐいと差し出す4回目

「若い脳」と言われし我は古希半ば

猛暑日やキュウリもナスもだらりんこ

雷鳴も知らんぷりなり蝉時雨

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