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平方録

夜明けは燃えたのに…

雨が降っているものと思っていたら、外は乾いていて、夜明け前のまだ暗い空には所々雲の切れ目があるように見えた。

ただし、いくら目を凝らしても星が見えなかったから、雲の切れ目じゃなく、低い所の黒雲を見間違ったのかもしれない。

そんな程度の観天望気なのである。

パソコンに向かい始めてしばらくすると、外がやけに明るい。

顔を上げると外は真昼のように明るくなっていて、大袈裟な表現を使えば「外が燃えていた」。

押っ取り刀でスマホを持ってベランダに飛び出すと夜明け直後こそ上品なピンク色に染まっていたはずの東の空がオレンジ色に「燃えて」いる。

お陰でボクの身体も周りの景色も、真っ昼間の太陽に照らされてでもいるかのように明るく浮き上がって、急に場違いな場所に立たされてしまったような、妙に居心地の悪い思いをさせられた。

夜明け直後の一瞬の光芒で、別に珍しい現象でも何でもないが、さすがは大自然が織り成すこの種の天然ショーはダイナミックで目を見張らされるものがある。

早起きは三文の何とやら…を味わわせてもらった。

 

今朝も夜明けとともにセミ時雨が始まったが、今朝の主役はミンミンゼミで、夏の間の楽しみにしてきたヒグラシの夜明けのセミ時雨は聞けなかった。

昨日の夜明けは雨が降っていてセミは一匹も鳴いていない。

ひょっとするとヒグラシはあの雨をしおにこの夏の謳歌を止めにしたのだろうか…撤収?

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず…」ってのは知っている。

いつまでも同じもの、同じことが続くわけがない…ということが世の中の道理だということは頭では分かっている。

しかし、31日に聞いた、若干数が少なく弱々しく聞こえたヒグラシの鳴き声が今夏の聞き納めだったのかと思うと、やっぱり寂しい。

いやっ、無性に寂しいっ!

 
 
05:02 雨予報を覆してきれいな夜明けの空が広がった
 
05:10 パソコンに向かっていると部屋の外がいきなり「燃え出し」、雲がオレンジ色に染まり出した
 
05:11 みるみる内に雲が金色に染まっていく
 
05:12 金色に輝く光の下は真昼のように明るい
 

04:56 最初はこんな感じの夜明けだったんだが…
 
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