長い長い1月がようやく終わった。
毎年のことながら1月が長いのにはほとほと呆れるし、うんざりもさせられる。
その代わりもともと日数が少ないこと以上に、あっという間に過ぎ去るのが来し方2月の特徴と言ってよく、2月の声を聞いたらもう佐保姫様の衣の裾をいつ踏んづけたって不思議ではなくなる。
ウグイスの初音だってもうすぐのはずだ ♪
そんなことを頭に思い描きながら身支度を整え、パソコンの前に座り卓上カレンダーを2月に交換する。
…と、現れたのは「好雪片片不落別處」。
円覚寺の横田南嶺管長の揮毫で「碧巌録」という禅宗の語録に収められている言葉だという。
コウセツヘンペン ベッショニオチズと読み下すそうで、「何とも美しい雪。ところがどの雪片も同じところに落ちない。ひらひらとすべて落ちるべきところに落ちている。見る雪もなく、見られる雪もなく、自らが好雪片片の雪そのもの。天地宇宙に溶け込んでいる限り天地と一体の自己があるだけである」というようなことを言っているのだとか。
こういう解説を読んで何となく胸にしみてくる人と、何のことかとチンプンカンプンの人とさまざまだろう。
「豚に真珠」や「猫に小判」などということわざがあるくらいだから、致し方ない所だ。
ボクのような凡人の頭をもってはなかなかストンと腑に落ちるものではないが、「天地宇宙に溶け込んでいる限り…云々」というようなところを目にすれば、なるほどなぁ、実際に出来るかどうかはともかく、かくありたいものだなぁ、とは思う。
ひとつ勉強になったことは確かだ。
好雪片片…
短い2月だが、朝起きてパソコンに向かうたびにこの8文字が目に入ることになる。
天地と一体の自己を目指し…
近所の池と森の公園に降りしきる雪(2018年1月)
同上