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平方録

う~む こんなところがあったか

一条恵観山荘? 何それ。

鎌倉の竹寺で知られる報国寺から県道を少し東に進んだ道沿いにそれはあった。
今まで何度も通っている道で、東側から鎌倉に入ろうとする人が朝比奈峠を越えてくる場合は必ずと言ってよいほど通る所にある。
春の彼岸の墓参りの際も往復この前を通ったが、まったく気づかなかった。
周囲は閑静な住宅街で、この辺りの家ならどこの家にもあるような、さして広くもない門が開いてるだけなので、意識しなければ見逃してしまう。

江戸時代初期に皇族の一条恵観(いちじょう・えかん)の別邸として京都・西加茂に建てられた茶屋だそうだ。
それが鎌倉に移築されたのは昭和34年のことだそうだから、随分前のことである。
しかも同39年には国の重要文化財に指定されていたんだそうな。
ずっと門は閉じられていて、公開されるようになったのは2017年6月である。
ボクの耳にその知らせが届くまでに2年もかかったということらしい。
つい最近、妻が友達から聞いてきて「素敵なところがあるらしいから偵察してきてくれない? 」というので早速行ってきたのだ。

一条恵観という人物は後陽成天皇の9番目の皇子だそうで、のちに五摂家の一つである一条家に養子に入っている。
その恵観が造作のすべてに指示を出して作らせたのがこの山荘だという。
門前に掲げられた案内板によると「江戸初期の朝廷文化を今に伝える建物として桂離宮と並ぶ貴重な遺構」と言うことらしい。
能書きはさらに続き、「その外観は田舎家風であるが、茅葺屋根の内側には柿葺の屋根が葺かれ、自然の形を活かした建材の数々と細工のなされた建具、モダンに描かれた杉戸絵など皇族の雅で自然を愛する趣向が随所に盛り込まれており、風雅な好みを感じさせる。庭の枯山水・飛び石も合わせて移築されており、一部は茶人の金森宗和の好みと伝わる」とある。

まずはどんなところなのか…

田舎家風の一条恵観山荘





雑木林の中に建つような佇まい
寸分の隙も無いような日本庭園よりも雑木林の方をボクも好む

山荘入り口の門


柱と軒に使われている木材は樹皮が付いたまま
古くなると樹皮ははがれてしまうだろうに…どうしているのか

庭のすぐ外側は滑川が流れているが、枯山水と共にせせらぎも

右手の流れが滑川
モミジの木が多く、秋の紅葉のころもまた美しそう




屋敷内にはヤマアジサイが多いが、咲き出すのが早いからこの時期になるともう盛りは過ぎている



ハグロトンボが羽を閉じたり開いたりしながら止まっていた

内部は見せてもらえず、ちょっと残念だったが、庭と建物の醸し出す全体の佇まいはなかなか良かった。まだあまり知られていないせいか訪れる人の姿もまばらで、ゆっくり静かに散策が出来た。
すぐ隣の報国寺には観光客が大挙して押し寄せているが、こちらも時間の問題だろうか。だとするとちょっとなぁ…

すぐ近くに最近日本蕎麦屋が出来て、そこが美味しいと評判なのだが、2時ほんの少し前だったが「売り切れちゃいました。蕎麦がなくなっちゃいました」といわれてがっかりして帰って来た。
今度は蕎麦だけを目当てに行ってこよ。
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