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平方録

半夏生のころ

夏至から11日目、太陽暦では7月2日ごろから七夕までの間――をそう呼ぶそうだから、3日目にしかならない今日はまだプレプレなのだが、「半夏生」というその言葉が好きで、この言葉を見聞きすると梅雨時のうっとおしさもしばし忘れ、浮き浮きしてくるような気持ちにさせられる。
梅雨明け後の生命力にあふれる盛夏がすぐ目の前までやってきていることを思い起こさせるからだろうと思うのだが、ともかく「ハンゲショウ」という発音自体もキレが感じられて好ましい ♪

このころに降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言い、大雨になることが多いそうだが、なるほど昨日は強い雨が1日中、傘も差せないような強風とともに降り続けた。学校帰りの小学生にはともかく受難の雨で、多分ずぶぬれになった子も多かったのではないか。
家でお母さんが待ってくれている子は優しい言葉の一つもかけてもらって身体を拭いてもらえるのだろうが、今の時代、お母さんも働きに出ているような子も少なくないだろう。
そういう子のことを思うと、ちょっとかわいそうな気がする。
こちらは対照的に名前から受ける印象とは随分裏腹なものがある。

良く散歩に出かける近所の池のある公園には湿地があり、そこに今びっしりと「半夏生」という名前を持つ草が生えている。
こちらは葉の半分が白く染まり「半分化粧したみたい」なことから「半化粧」となり、「半夏生」へと変化したものらしい。
ともかくこの草が化粧を始めると本当の真夏がほどなくやってくるわけで、化粧の進み具合というものがとても気になる。
大好きな夏への道しるべになってくれるという点で大いにシンパシーを感じる植物でもあるのだ ♪

わが家の庭にも3、4本生えていたが、今年その姿が見つからないのは雑草と一緒に引っこ抜いてしまったようだ。
草が小さいうちは何の変哲もないからね。
来年の春、この湿地から伸び始めた株1、2本に引っ越しを願おうかと思う。

そういやぁ、あの志村けんのバカ殿は顔中におしろいを塗りたくっていたが、こちらのハンゲショウはそんな身もふたもないような真似はしないで余韻を残しているところなど日本女性を彷彿させる奥ゆかしさで、そういうところも好ましい。
いよいよ盛夏も見えてきたしね ♪

どうよ ! とハンゲショウ

これでもか ! とハンゲショウ

もうすぐ梅雨が明けて真夏が来るわよとハンゲショウ

ネジバナも好き

花卉に刺してみた よく見ると右巻なんだね
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